I think that this technology becomes a global innovation certainly. −エアリアルイメージングという技術


(これは先週まで宿泊していたバンコクのホテルロビーのリアルな水槽です。しかし近い将来、リアルでも2Dのモニターでもなく、ホテルのロビーに3Dの空中再結合された水槽映像が出現するかもしれません)

 目の前に3D映像が現れ、ヒトがその3D映像を触れるように操作することができる。そのような場面は、今までは映画やテレビにおけるSF(Science Fiction)の世界…でした。まだまだ先の未来技術だと思っていたそのような世界ですが、なんと明々後日の10月1日に幕張で開催されるCEATEC JAPAN2013(最先端IT・エレクトロニクス総合展)にて目にできそうです。

 その技術を実現する会社はどこの国にあるのでしょうか?意外かもしれません。その技術はエアリアルイメージング(AI)といい、その特許はなんとアスカネットという広島の会社が持っています。日本の会社です!

 AIの技術自体は、AIP(エアリアル・イメージング・プレート)と呼ばれるこの会社が製造するプレートに対象物を透過させ、空中でその像を再結像することで立体映像を再現します。しかも裸眼で見ることができるそうです。一直線でしか見えない虚像とは違い、どこからでも見ることのできる実像という点がその応用範囲をグッと広げます。

 ではなぜ冒頭のような世界が実現するかというと、既に空中の動作を感知する技術はあるわけですから(Leap Motion などのモーションセンサー)、それと組み合わせれば、空中に浮かんだ3D映像を操作する動作をセンサーが把握することで動作指示を与えることができるわけです。iWatchへの応用などは余裕ですね。医療の世界では、従来は2Dモニターで拡大して確認しながらの手術でも十分な医工連携技術だったと思いますが、この拡大映像が3Dの実像で実現すれば、より精度が高まるのは間違いないでしょう。いま産学連携部署、特に医学部と工学部が大きな比重を占める大学に所属していることから、こういう方向にもぜひ応用してほしいと思います。

 この技術の応用範囲の広さはまだまだ無限です。例えば動画でも空中で再結合できるとされる点に注目します。すると3Dテレビのテクノロジーを一気に飛び越えることになります。世の中に白黒テレビが初めて登場したとき以来のインパクトと同等、またはそれ以上だと思います。

 もちろんデジタルゲームのリアリティはグッと高まります。MMO-RPG等のオンラインゲームに応用すれば、これもSFの世界、映画「Avatarアバター)」の世界の出来上がりです!といいますかアバターの世界をも遥かに超えますね。アバターでは主人公がある装置に入り、リアルの世界で眠りについた状態で実現できる世界でした。しかしAIの技術を応用すれば、リアルで自分の体を動かしながら、3Dで再現される仲間とともに仮想空間を冒険できる日が来るでしょう。

 何に驚いているかというと、広島の一企業が世界的なイノベーションを起こす可能性(既に実現可能技術ですから、後にイノベーションといわれることも極めて実現性が高い)を有しているということです。先日、Facebookの同技術に関するページをみると、パートナー企業として"Intel"と"Panasonic"が挙がっていました。

 只事ではない予感がします。

 全国VBLフォーラムを今年は福井大学で行ったことから、本日までその担当として忙殺状態でした。Facebookの更新は少々、ブログのほうは全く更新できていませんでしたが、先日のタイ出張に関しても、いくつかトピックがありますので、また改めて書きたいと思います。そういっているうちに、来月中旬にもタイに行くのですが…。