それはソフィーの選択ではない!

 アウシュビッツに連行される3名、母親ソフィーと6歳の男の子、2歳の女の子。ソフィーの究極の選択、それは「娘か息子の一人は助けてやる、どちらかを選べ」というものでした。

 原発再稼動問題は二者択一という人もいるようですが、条件付(期限付き)賛成、または反対ももちろん選択肢の一つです。私は次の意見に決して賛成でも(また反対でも)ないのですが、例えば時折耳にする、代替エネルギーの技術の進展の様子を見ながら、順次縮小というものも選択肢の一つです。もちろん原子力技術を柱にした科学技術基本計画を立て、世界ぶっちぎりの安全技術を確立し、(もちろんそれが実現できた時点で)順次拡大という考え方もあっていいのではないでしょうか。

 先日、ある学生と話す機会がありました。その学生の意見ではなく、その学生が聞いた話ということですが、産業経済面で原発の再稼動について賛意を示すと、「娘の命」と「家にある家電製品全て」どちらを差し出すか、当然後者だろうという話になったそうです。またこの話を「ソフィーの選択」と絡ませ、このような考え方から反対派はもっと増えるという話にもなった様子。

 しかしこれは詭弁です。反対派の方の感情はわかりますが、かなりのところ無理があります。ソフィーの選択は究極の選択です。そもそもこっちなどという選択ができるものではなく、また条件付も何にしても決断をできるものではありません(もっともソフィーは決断しましたが…)。このような詭弁をもって、特定の思想が間違った世論を形成します。正確な判断力、深い洞察力、それらのもとになる、まさに考え抜く力、社会人基礎力のひとつ、その教育は大切です。

 そしてソフィーの選択、それは軽々しく例えることが出来ないほどに、もっともっと究極の選択です。

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 沖縄返還40周年、本日はそのニュースが流れています。今月は久々に2回、沖縄に教育関係で出張します。

 沖縄に関して言えば、沖縄では米軍基地の周辺に「なぜか」基地建設後に人口が増えたとも聞きます。不思議ですね。「左翼の利権」って聞いたことはありますか?「もし」戦後、米軍が沖縄を占領しなければ、沖縄はどこの国のものになっていたのでしょうか?実は沖縄のある島には、米国以外のあの国が攻めてきていたことをご存知でしたか?ついでなのでさらに言いましょう(笑)。米軍基地が沖縄からなくなって喜ぶのは誰ですか?誰じゃないですね、国ですね。

 私は決して米軍基地に対し、全面賛意でも断固反対の立場でもなく、ただただ考えてみましょうという提起をしたいと思います。あえて私の立場を言うなら、日本が好きなだけです。当たり前です、日本人ですから。

 愛国心、この言葉に疑問をもつなら、完全なるアイデンティティの崩壊です。