「橋下無双」ってなんだ???−キャリア教育の課題にて

 キャリア教育の授業では、環境的視野(2次元軸、平面的視野)と時間的視野(3次元軸)の双方を考えます。つまり個のキャリアを、自身を中心に考えるのではなく、自分のアイデンティティを形成する家族や組織、地域や社会の中の個のあり方として自分を位置づけること(平面的視野)、その上で過去と現在を把握し、分析の上、創造と想像を交えて戦略的に長期的なキャリアのデザインを描くこと(時間的視野)を目指しています。

 その一環として、年内の最後の授業では、13グループに分かれ、過去と現在の日本社会の把握・分析を課題として取り組みました。

 では今の社会は大学生にとってどのように移っているのでしょうか。そのキーワードを抜き出してみました。

(科学:科学技術と日本社会)
 自動車は燃料の良し悪しで競っている、電気自動車の普及、スマートフォンが主流に、メディアがテレビからネットに、インターネット(特にSNSサイト)の発達でいろんな人とすぐにつながる、交通機関の発達

(政治:日本における政治)
 大阪維新、芸能人が政界入り、総理大臣がよく変わり政策が安定しない、政治が迷走、民主党、橋下無双

(経済:国内経済)
 円高、不景気、不況、悪化、不安定、就職氷河期リーマンショック、TPP

(国際:日本の外交)
 金正日死亡、東日本大震災日本製品の輸出の鈍化、外交に弱い日本、まだ先進国、東南アジアが伸びてきた、中国が日本のGDPを抜いた

(世相:日本社会の風潮)
 少子高齢化社会、子供の虐待、ゲームの発達により子供が室内で遊ぶようになった、国際問題や環境問題が注目される

 上記は「いま」の把握と分析の過程で出てきたキーワードです。13チームの把握と分析におけるニュアンスを拾って「いま」を点数化すると、科学80点、政治40点、経済10点、国際20点、世相50点、平均40点というところでしょうか。

 実はこのような把握と分析を、「いま」だけでなく、ある工夫による記憶喚起を行ったうえで、「3年前(高校生時代)」「6年前(中学生時代)」「7年前以前(小学生以下の時代)」も行いました。すると過去には「小泉無双」というキーワードも出てきています。このグループはリーダーシップという意味で比較的肯定的に捉えているようなニュアンスを感じました。
 授業では過去と現在を踏まえ、10年後と、40年後の想定も行いました。このことでアイデンティティによる個の位置づけを踏まえた将来的なキャリアのデザインが可能になります。過去と将来も、内容がまとまれば、またご紹介したいと思います。

 私は大阪の政治には詳しくないのですが、「橋下無双」という言葉が出てくるあたり、いまや大阪の話題は地方自治の域を超えていますね。