俺様は例外???−それでも貸す人がいるのです−

 ブラジルが、国内総生産で英国、独国、仏国を追い抜く勢いだそうです。

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ブラジル、英国抜き世界6位の経済大国へ
読売新聞 12月27日(火)17時57分配信

 2011年の国内総生産(GDP)で、新興国ブラジルが英国を抜き、世界6位の経済大国になる見通しとなった。
 英BBC放送などが26日、英民間調査機関CEBRの分析として報じた。ブラジルは20年までに、GDPで独仏も追い越す見通しだという。
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 以前より、BRICs(煉瓦を意味する"brick"から、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)を示す言葉)の台頭は言われていましたが、とうとうそのブラジルも中国を追うように上位に挙がってきました。

 英国を抜いて、さらに独仏も抜くということは…? GDP順位は、米国、中国、日本、独国、仏国ですので、日本も射程圏内です。日本はマイナス成長ですから、このままいくと独仏と同じく抜かれてしまいます。

 これが財政再建縮小均衡により、致し方なくGDPがマイナス成長をしているというならまだしも、日本の国債残高のここ3年の膨れ上がりは異常です。

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国債残高709兆円、1人554万円…来年度末
読売新聞 12月24日(土)13時29分配信

 財務省が24日発表した2012年度の国債発行計画によると、12年度末の国と地方の長期債務残高は約937兆円と、11年度末見込みより約34兆円増える見通しだ。
(中略)
 12年度末の国債発行残高は、財政投融資計画で発行する財投債を除いて約709兆円。一般会計の税収の約17倍で、国民1人当たりに換算すると約554万円に上る。
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 ちなみに20年前は、国債残高が200兆円にも達していませんでした。また平成17〜20年度は500兆円台前半あたりの微増でとどまっていました。つまりこの3年で急増したわけです。

 上記のWEB掲載もそうなのですが、よく新聞などで、「国民1人当たりに換算すると」という言葉が使われます。これがまたイメージしやすいのか、しにくいのか微妙です。金額のイメージはつかめるのでしょうが、危機感が伝わってきません。

 そこでマスコミに提案です。今後の指標は「日本の国債残高は、日本の収入の15倍以上」のような表現を常に加えるのはどうでしょう。

 日本の改正貸金業法(2010年6月18日完全施行)では、総量規制が定められました。原則として、「個人」の借入総額が、年収の3分の1までと制限されました(一部、住宅ローンなどは除く)。

 これに照らし合わせて考えましょう。(仮に「個人」という想定で)1945年生まれの日本太郎さん、御年60代後半。幼少期は米国生まれのGHQさんに過保護に育てられました。1980年代まで(40代まで)は(育ての親と経済的に摩擦を起こしたり、反抗期を経ながらも)ブイブイいわせてきました。しかしその後はパッとせず、徐々に借り入れに依存する生活に。日本太郎さんの現在の年収は45兆円です。しかし日本太郎さんは、年45兆円支出の生活では満足できず、今も追加で年収と同額の45兆円を1年間で借り入れ、年90兆円レベルの生活を送っています。このような生活を続けてきた結果、20年前の借入総額は200兆円未満だったものが、今や700兆円を超えようとしています。

 借入総額が年収の3分の1どころか、年収の15倍以上です。このような表現にしたほうが、「国民1人当たりに換算すると」より、ずっと現実的な表現といえます。

 総量規制により借り入れができなくなり、本来救われた人さえ切り捨てる(ソフトヤミ金業者を横行させる)法律を定めながら、俺様は例外という無謀ぶりです。

 確かに国は、個人か法人かと問われれば、法人なのかもしれません。すると総量規制の対象外です。しかし国の借金は国にとって事業用資金的性格をもつのか、それとも生活費的性格をもつのかと問われれば、その場合、後者的意味合いも多分に存在する気がします。

 総量規制が多重債務問題、過剰貸付を回避すると言いますが、そうすると逆に日本のこの負債増加の現状は、国家破綻に向けたカウントダウンといえます。なによりこのような債務者にお金を貸そうとする人(国債購入者)がいること自体、不思議ともいえます。