大学にゲーム専用PCを持ち込んだら…

 やっぱりいけませんかね?(^^;; ここは所属長と要相談

 というのも、先日と本日、2つの財団から研究助成の採択通知をいただいたのですが、採択していただいた研究テーマが、共にオンラインゲームの応用研究だからです。それぞれの申請書には、類似テーマで互いの財団に申請していることは記載済みですから、そこは問題はないのですが、大きな問題がひとつ、それは研究を推進するにあたり「どこで研究するか?」です。さすがに大学でゲームを起動するのがまずいとなれば、睡眠不足になりそうな予感です。

 ミクロ経済学では「労働時間の選択」を考察する際、「労働する時間(所得を得る時間)」と「労働しない時間(余暇という効用を楽しむ時間)」に分けて、その制約範囲で最大効用を得るような最適消費点を導きます。私の場合、今でも大概、仕事(研究)かゲームか食べるか寝るかの生活ですが、どう時間配分すれば研究成果を最大化できるか考えどころです。

 もっともゲームをプレイすることが研究目的ではなく、現存するオンラインゲームから、「生産」といわれる要素を分析し、「多人数のインタラクティブ性」に関する効果を調査するのが主たる内容です。そしてそこから自身の研究にどう反映させ、応用するかというのが腕の見せ所です。

 このオンラインゲームの教育への応用という研究分野は、5年ほど前から東京大の馬場教授が先行的に研究されています。またアメリカや韓国でも既に研究されています。アニメやゲームは日本のお家芸ですから、負けてはいけません!私の場合は自身の起業教育分野に応用する計画です。きっと近い将来、ゲームが教育の重要分野を占めるようになるだろうという考えで進めています。

 先月までの小学校での5回の授業でも、出資ゲーム、リスクゲームを行うときの生徒たちの集中力は極めて高いものがありました。関西の私大で授業をもっていたときも、生産ゲームを行うときの大学生の取り組みは真剣です。ゲームに様々な教育要素を加えれば、知識や考え方の習得といった効率性は飛躍的に向上するでしょう。(ニンジン嫌いの子供に対して、ニンジンを細かく刻んでハンバーグに混ぜるような効果に似ているかも知れません^^)

 一方で、日本には「修業」という言葉があります。苦痛を伴う修業は精神的な効果はあるだろうと思いますが、学習に関しては楽しいものもあっていいのではないかなと考えています。

 ちなみに私の学生時代は勉強はそっちのけ、ファミコンスーファミ、プレステなどのテレビゲームしかしていませんでした。しかしビジネスゲームのおかげで中学生のころには株式市場の流通市場は完全に理解できていました^^。きっと今の研究につながっていると思います。

 私は20代の前半のときにある塾で数学を教えていたのですが、そのときに高校生の女子生徒にすすめられて、MMO-RPGといわれる本格的なオンラインゲームを始めました。その後、別のゲームでギルドリーダーまでするハメになるなど、かなりのハードゲーマーに成長していました(なお、オンラインゲームがまだ全く認知されていなかった1994年頃にも、当時大学生だった私はPC-VANというオンライン通信手段(インターネットのひとつ前です)で先駆け的なゲームに触れていました)。ゲーム的言い方をするとこの分野を研究するにあたり、その「経験値」は人一倍溜まっています。もっとも学生時代は廃人と紙一重でした。今となっては楽しくてやっているというより、研究半分でやっています…。

 昔からもそうですが、他のゲーマーの方と違うところといえば、ただゲームを楽しむのではなく、いつも何かを分析しているところでしょうか。システム、ビジネスモデル、運営者の意図など…、普段の生活でも、どういうわけか、どことなく第三者的に冷めた見方をしてしまうようです。時と場合によっては直さねばならない欠点だとは自覚しています。またこの癖は、本気で楽しめていない分、少し損しているのかもしれません。