I am going to correct the contents of "IT Business Theory" as soon as the case gains popularity.-デジタルゲームの収益曲線として一般化するかどうかがポイント

 下記は何かというと、兼任している大手前大学通信課程の私の授業「ITビジネス論」の第5回の内容です。兼任しているといっても、実は福井大学に着任する前の京都大学にいたときに作成したインターネット授業コンテンツで、現在は受講者が希望する時間に再生されている形です。

第5回 多人数同時参加型オンラインシステムによるゲームと教育
 (基礎)デジタルゲームの普及について
 1.デジタルゲームとオンライン化
 2.オンラインゲームビジネスと社会の変容
 3.ゲームビジネスの今後の可能性(教育への応用)
 (用語)第5回ITビジネス関連用語の解説
 (確認)第5回小テスト

 この授業形態は他の多くの通信科目と違いフルデジタルコンテンツ(小テストを含め、基本はデジタル画面上の再生で授業が完了する)の形をとっているので(最近はフルの形が増えてきたそうです)、作るときは相当な労力でした。しかも受講された方は必ず気づくと思うのですが、この授業回だけボリュームが半端なく多いです。これでも相当コンパクトにしたつもりで、作ろうと思えばこの関連コンテンツだけで15回分の授業にすることも可能です…。

 先月、この授業回について、微修正が必要かなと感じた出来事があります。それはニンテンドー3DSソフト「妖怪ウォッチ」の売上曲線です。上記授業「1.デジタルゲームとオンライン化」では、「コイン投げからテーブルゲーム、コンピュータゲーム、オンラインゲームという流れ(ゲームの進化の歴史)」や「『デザイン』や『プラットフォーム』『アーキテクチャー』によるネットワークゲームの分類、システムの概要」だけでなく、「オンラインゲームとオフラインゲームのビジネスモデルの違い」についても解説しています。

 そこでは、簡単に述べると、オフラインゲームの収益曲線は最初に山が来て以後ロングテイルのような形になるのに対し、オンラインゲームでは最初の山だけでなく継続的な収益の発生に加え何度か収益増加の機会が存在すると説明しています。

 しかしこの3DSソフト「妖怪ウォッチ」は、「ゲーム史上でも稀有な売上曲線」(『Weeklyファミ通』5月1日号p.10(2014年4月17日発売))と表現されるように、ロングテイルを描く形ではなく、異例の再ヒットを記録しています。数値で表現すると、発売日以後まさにロングテイルのような形で落ち込んだ売上が、2014年3月になり再び週5万本と発売時の2013年7月に迫る形となりました(同誌掲載数値より)。

 この理由はいわゆるメディアミックスの効果(同誌では「クロスメディア」と表現)、つまりテレビやマンガ、おもちゃなどの多チャネルのマーケティング手法が相乗的に効果を生み出した結果です。

 このような効果を生み出すには、コンテンツそのものに魅力があることが前提ですが、今後のゲームの収益曲線を説明する際には触れなければいけないケースであることは確かです。