仮説変更!?うちの近所のスーパー激戦区(?)のクールノー・ナッシュ均衡!

 一昨日、私が住む地域に平和堂もどきが誕生しました。実は長らく広大な更地に平和堂建設予定地」と書かれていたのですが、9月頃から建設がはじまり「やっとできた!」と思いきや、「え?平和堂?」と疑う平屋の建物(笑)。できてみてよく見ると「フレンドタウン」と書かれています。少し期待外れか…、でも平屋でもスーパーが進出してくれることはありがたいです(^^。

 で、まぁ、それはいいのですが、このなかなか建設が進まないスーパーの件は、私が福井に来て感じていた七不思議の1つだったのです(正確に数えて不思議が7つかどうかは別として)。じつは私が住む地域には、引っ越した時から広大な更地が2つあって、どちらもスーパー建設予定地となっていました。しかしなかなか建設がはじまらない。私は「これはおかしい」と勝手に感じていて、ミクロ経済学ゲーム理論におけるナッシュ均衡モデルを使って、以下のような仮説を考えていました。

 オープンどころか建設の気配すらない更地のほうをA、今回オープンしたフレンドタウンをBとすると、それぞれのスーパーの戦略と以前の私の予想期待値は次のような表でした。

(両方とも建設の気配がなかった8月頃の仮説)
 

 AはBがこの地に進出するとすれば、自社も進出すれば赤字(表の左上)で進出しなければ損益なし(表の左下)、よってこの場合は自社は進出しない。しかしBが出てこないとなると、自社が進出すれば黒字(表の右上)で進出しなければ損益なし(表の右下)、よってこの場合は進出する。以上よりBの出方を見てみよう。企業Aが取るべき戦略は企業Bの行動に依存しているといえます。

 しかしBも全く同じ考えで、BはAがこの地に進出するとすれば、自社も進出すれば赤字(表の左上)で進出しなければ損益なし(表の右上)、よってこの場合は自社は進出しない。しかしAが出てこないとなると、自社が進出すれば黒字(表の左下)で進出しなければ損益なし(表の右下)、よってこの場合は進出する。以上よりAの出方を見てみよう。なんとこちらも企業Bが取るべき戦略は企業Aの行動に依存しています。

 要はお互いのスーパーがにらみ合いを続けていたと考えていたのです。

 しかし今回のB(フレンドタウン)の進出でこの仮説が否定され、新たな仮説の構築に至りました。やっと片方(フレンドタウン)が完成しましたが、いまだにもう片方は建設の兆候すらありません。ということは、

(新たな仮説 − 11月25日より)
 

 1つめの表と見方は同じです。AはBがこの地に進出するとすれば、自社も進出すれば赤字(表の左上)で進出しなければ損益なし(表の左下)、よってこの場合は自社は進出しない。しかしBが出てこないとなると、自社が進出すれば黒字(表の右上)で進出しなければ損益なし(表の右下)、よってこの場合は進出する。以上よりBの出方を見てみよう。(さっきと全く同じです。)

 しかし今度のBは違います。Bは決断しました!w BはAがこの地に進出するとしても、自社が進出しても黒字(表の左上)で進出しなければ損益なし(表の右上)、よってこの場合は自社も進出する。さらにAが出てこないとなると、自社が進出すれば黒字(表の左下)で進出しなければ損益なし(表の右下)、やはりこの場合も進出する。つまりここでBにとってはAの行動に関係なく「進出する」ということで、これはミクロ経済学でいうBにとっての支配戦略となるわけです。

 するとAに戻れば、Bが進出する場合は自社は進出しないを選択します。このように企業Bの行動から企業Aの戦略は決定されましたが、これを最適戦略といいます。

 もう一回Bを見ると、Aが進出しなくてもBは進出ですから「進出する」という戦略を変えることはありません。この状態で、企業Aと企業Bの戦略はともに確定しました。このような戦略を変更しようとしない状態をクールノーナッシュ均衡といいます。

 新たな仮説(というかAとBの考え)を作り、自分を納得させることができ、これで家に帰れますw(って、土曜なのに、まだ大学におるんかいという話ですが…、ここがテキストなどを作るには一番落ち着くのです^^)。