福井大学をPPM分析してみると?

 今朝の学内のミーティングでの話です。うちの部署が出している教育プログラムに対し、企業の方からの要望で、「PPM分析等の実践的な内容も今後期待する」(PPM分析が実践的かどうかは別として)というアンケート返答がありました。そこでミーティング内では、次年度以降にそのような科目も設置することを考えようかという話になっていたのですが、せっかくなので今日の午後の授業にて、当初の予定を自宅課題に回して…(課題負担をおかけしますが…)、早速PPM分析を扱いました。

 PPM分析とは、Product Portfolio Managementの略称で、自社の製品や事業を、市場の成長率と相対的なマーケットシェアから、下のような4ポジションに分類し、戦略を構築する材料とする分析のことです。

 
 (今朝のミーティングを受けて、お昼に即席で作った表です)

 振り分け方や縦軸、横軸の意味、範囲の書き方の詳細な説明はものの本に書かれているでしょうからここでは省きます。この分析の有用な点は、分析し「ほほぅ」と感心するだけではなく、企業の戦略構築に活かせることです。一般的には、成長分野の新規参入である「問題児(Problem Child)」からはじまり、マーケットシェアの獲得に伴い「花形製品・産業(Star)」へと成長し、製品ライフサイクルにおける成長陰りが見えはじめる前後に「金のなる木(Cash Cow)」にかわり、いずれは「負け犬(Dog)」になってしまいます。

 そのそれぞれに分類された製品や事業には、それらなりのお決まりの経営戦略があります。また会社全体としての資源の選択と集中という考えからも、「負け犬」の放置は厳禁であり、しかし撤退か否か、それとも残存者利益を狙うかの判断も必要です。こういった説明を「製品のライフサイクル」とともに説明し、最後にSWOT分析に触れました。

 実際に今回、ケーススタディとして何を題材にしようかお昼に考えていたのですが、「受講者の分類が、学生さん、研究員さん、企業の方…、う〜ん、共通点がない…」と悩んでいると、ふと「そうだ、みな福井大学の授業を受けているじゃないか!」ということで、少し強引ですが福井大学の経営戦略をケーススタディとしました。

 私立大学を中心に多くの大学では、学部・学科の廃止・改組・新設が頻繁な現状において、このような大学の学科単位のPPM分析は意外に役立つかもしれません。もちろんグループ間での意見は真っ二つに分かれた学科も存在しました。結果は(波風が立つといけないのでここでは学科名を伏せますが)以下のようになりました。分析結果から戦略構築を考えるに至っては、厳しい意見から、なるほどという提案まで出てきました。結果として大きな円の学科を看板にすべきかなということです。負け犬と判断された学科も、少しの工夫で改善が可能だという前向きな提案が出てきたので、なかなか面白かったです。

 
 (学科名は出せませんが、それぞれに根拠と意見が出てきました)

 なお、あくまでも授業のケースとしての議論ですので、念のため…。

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 (「白いお皿…」、確かに表示に偽りなしです…)

 「ヤマザキ白いお皿キャンペーン」のシール配布は今日までですね(交換はまだできます)。お皿に交換してきましたが…、本当に普通の白いお皿でした…。