Does the past data teach you anticipation of the future? − 過去のデータで未来のことがわかりますか?


(夜景は良いとはいえませんが、部屋が広く交通の便のいいバンコクのSAを見つけました!)

 「過去のデータで未来のことがわかりますか?」という国会答弁を行うのは、e-mobileのCMで総理に扮する矢沢永吉氏です。この言葉が正しいか否かなどという議論はお粗末ですが、なかなか聞こえのいい言葉なのは確かですね。しかし過去のデータを見る限り「このままでは日本の起業は増えないな」と焦ってしまう根拠は、最下部の通りです。トホホ…。

 Facebookには挙げていましたが、先週後半からのスケジュールはいい感じで無駄がなく過密でした。9日昼前に関西大学高槻ミューズキャンパスで打ち合わせ、9日深夜にバンコク着、そのまま1泊し、10日木曜の昼にタマサート大学の先生と打ち合わせた後、夜にイサーン地方のコンケンに国内線で移動、11日金曜に自身の研究発表(分野を限定しない国際カンファレンスでしたので、起業教育に関して専門外の人でも理解できる行動経済学的要素を少し入れた内容にしました)を終え、その夜に国際要素を絡めた起業のインタビュー、12日土曜昼にバンコクに戻り、バンコクにてまた別件で打ち合わせ、その夜に夜行便で大阪、13日日曜の早朝着、そのまま金融教育関係の学会に出るため関西学院大学に直行し、午前に学会発表の補助と他の先生の発表に対するコメントを行い、その夜に福井に戻りました。結構、睡眠不足もきています…。

    
 (関西学院大学の風景、ミッション系の大学という雰囲気があります) 
    
 (夜行便で帰国した日の陽射しはまぶしすぎてダメ(お前はドラキュラか?笑))

    
 (テンション高めでしたがコメンテーターのお仕事もちゃんとしてきました(つもりです))

 どうも大学にいるとアレコレとやることが出てきて研究のほうが進みにくく、むしろ移動中のほうが文献を読んだりモノを書くまとまった時間を取ることができます。10月後半は、上記と同様の長い移動を伴いつつも、刻まれたスケジュールで動くことがさらに増えそうです。しかしこれはむしろ研究を進めることができるチャンスです!(笑)。

 バンコクで定宿を変えてもいいかなと思えるホテル(SA)を見つけました。そこそこ長く滞在するとき、無駄に広い部屋を好む私は、いつもスクンビットバンコクの北のほうの一般的なSAでグレードが高い部屋をとって(といっても価格はSAなのでファイブスターホテルほど高くありません)、80〜100㎡ぐらいの部屋を一人で使うことが多いです。モノを考えるとき、昔から部屋をうろうろする癖があるのです。

 今回は1泊だけということで、ペチャブリーにあるSAのジュニアスイートルームを試してみました。なんと85㎡もあり、かつ交通の便も良かったので、今後のお気に入りの一つにしようかなと思います。タイ人からよく「ファイブスターのホテルにしないの?」と聞かれるのですが、部屋が狭いとか、価格が高いとかいう以前に、良いホテルはどうも都(京の都)で庶民育ちだった私には肩が凝るので苦手なのです。またフォースターならともかく、ファイブスターのホテルは大学規定の出張宿泊費を大幅に上回ります…。ちなみに個人的にはファイブスターホテルで最低グレードの部屋を使うよりは、一般的なSAでも最高グレードの部屋を使うほうが断然いいと思っています)

    
 (ここも私好みの無駄な広さがあるSAでした)
    
 (ただキッチンは少し狭いかな、ベッドはいいスプリングです)
    
 (プールは使わないのでどうでもいいのですが綺麗です。他にフィットネスルームもありました)

 今回、コンケンでは研究発表のほかに、同市でレストランと貸サッカー練習場を経営されている方にお会いしました。一緒に食事をとったり、仕事場やコンケン市内をまわっている中で、起業に関する内容をインタビューさせていただきました。そのお話が、日本の学生にぜひ伝えたいと思えるほど感動を伴う素晴らしい内容でした。苦労をして異国で働いた後に本国に戻り、その働いたお金をもとに家族でビジネスを展開するとともに、大学でマーケティングを学ばれます。そして30歳で自身が独立し、今も順調にビジネスを拡大されています。私と同じ年の方です。

 彼に「日本人は起業に対し、世界でもかなり後ろ向きな思考をもつ」(最下部のグラフを参照)という話を振ると、「自分には成功する自信があった。そのために勉強し、調査をした」と言います。独立に迷いはなかったようです。しかも彼はまだまだ目標の途上だといい、ニコッとしてくれました。これだけ成功しても「まだまだこれから」と言い、朝10時から明朝3時までレストランは営業していて、彼も店の現場に出ています。

   
 (左/見せていただいたサッカー場。1コートは1時間700バーツ(2500円程度)ですが、コンケン大学のすぐ近く、場所もよくいつも誰かが使っているようです。右/麺をいただきました。壁には直にFree WiFiのパスが書かれていました)

 この日は営業時間中に店を出て、私を夜のコンケンの街中に案内してくれました。その途中も何度となく電話がかかってきたりします。「お店は大丈夫?気を遣わなくていいよ」と伝えると、私にスマホの画面を見せてくれました。それは彼が管理するお店やサッカー場などに設置してあるカメラ複数台の映像で、4画面に分割したスマホの画面でした。切り替えをしながら8から12ぐらいの画面をみているようです。そして「外に出ていても、日本に旅行に行っても大丈夫」とまたニコッとするので、「それなら日本にお店を出しても大丈夫だね」と返して、互いに大爆笑していました。

 彼のこのニコッとする笑顔がなんともやり手の若手ビジネスマンのイメージとはかけ離れていて、自分と同世代とかいう以上に、打ちとけあえたところなのかなとも思いました。

    
 (連れてきていただいたワインのお店)
    
 (シャンパンとタイ料理もご馳走になりました)

 今回のインタビューでは「戦後から経済成長した日本において、私たちが失ってしまったアントレプレナーシップがタイに残っている」と強く感じました。

(参考)
 政策科学の学位を持つと、癖というか慣れといいますか、主要な言及にはデータで根拠(エビデンス)を示すことを自然と気に留めます。日本人が起業に後ろ向きであるというのは、下記のデータ「18歳から64歳までの起業準備者および起業者の割合」から示すことができます。ちなみに2012年度は、平均値が13.1%、タイが18.7%、日本はなんとわずか4.0%で、同年の調査対象国68カ国の中ではもちろん最下位です。
 
(Global Entreneurship Monitor (GEM), Total early-stage Entrepreneurial Activity (TEA)より、Percentage of 18-64 population who are either a nascent entrepreneur or owner-manager of a new business について、日本、タイおよび世界平均値を抜き出しグラフを作成、日本およびタイの数値は、日本とタイの双方において調査が行われた年のみを抜粋、調査対象国99カ国の平均値については調査対象年に調査データがある国のみの平均値とした)