The entrepreneurship education of Malaysia may become a model for advanced nations.−マレーシアの中小企業創出政策


(タイ南部への玄関口、ペチャブリーの街の少しはずれにあるラマ5世の宮殿)

 昨日、タイより日本に帰国しました。ちょうど1週間前の8日、学生らは各班またはバディとの調査日でしたので、私のほうはバンコクから南(南南西)に約160kmほどの距離に位置するペチャブリーという街にいました。この街でもやはり中進国における起業意識の芽生えを感じます。

 いわゆる露店屋台は、バンコクではショッピングモールビルなどに統合集積され数は減少傾向ですが、地方では今でも露店がメインです。

    
 (何か屋台らしきものを発見しましたので行ってみます、麺のお店です)
    
 (母親が作り、子供が運んでくる、水もトッピングも運んできてくれます、しかもバンコクと違い水は無料というか水道水?麺は今でもたった25Bです。バンコクは倍近くに値上がりしたなぁ)

 もちろん多くの研究者が述べている、先進国における機会損失起業低迷論(?)を完全否定まではしません。しかし上記写真のような、親が生活を守るために自ら商売を起こし、その仕事を子供が目の前で見て学ぶような現場型起業教育(キャリア教育)のようなものが先進国では失われていることも大きな要因ではないかと私は考えています。

 と、そのようないつもの想いを胸に日本に帰ってくると、嫁が昨日、面白い情報を見つけてくれました。

 それはJALが出している"AGORA"という雑誌の1ページです。内容は、クアラルンプール大学のある博士のコメントで、「なぜマレーシアは中小企業(の創出)に力を注いでいるのか」という問いに対し、「80年代に進出外資企業が(マレーシアから)中国に工場を移転する流れの中、マレーシアは自国で産業を育てるという方針をとったことが始まり」とのことです。

 ある政策機関を中心に、小学生から起業教育を行い、自分でお店を開かせることで、成功には何が必要かを学ばせているといいます。

 もともと大学院に在籍していた時から、中小企業政策の研究をしていたので、マレーシア政府が中小企業の育成に力を入れていることは知っています。しかし小学校からの起業教育についてはまだ未調査でしたので、そのカリキュラムを現地で調べてみるのも面白そうです。

 同時に、マレーシアの持続的な経済成長の数字を追うと、先進国における起業低迷の解決は、経済政策ではなく教育政策という今までの基本的な自身の考えを、より確信できるようになりました。

    
 (ペチャブリーの市場です。ロットゥは街の中心のこの市場辺りから出ます。バンコクまでは2時間半ほど。行きは120Bでしたが、帰りは各中継点に寄るロットゥで100Bでした)