アントレプレナーシップ教育の先進事例は欧米に加えアジアにも−九州大学にて国際ワークショップなど

 九州大学構内、蝉がミンミン鳴いています。福井では聞いたことがないくらいの大合唱で、もの凄く鳴いていました。

 今日は、午前中が九州大学にて全国VBLフォーラムのアントレプレナーシップ教育ワーキンググループの打ち合わせ、午後からは市内中心地「天神」に場所を移し同教育の国際ワークショップに出席していました。終わったのは既に日が落ちたころ、久々に丸1日、起業教育研究に関連した日でした(所属部署の業務と自身の研究に相当の接点があるので、現在の環境に感謝です)。

 
 (九州大学です。9時過ぎについたのですが、まだ1時間ほど時間があったので大学周りで朝食をと思って歩くものの、適当なお店が存在しませんでした。仕方なしに学内の学生食堂でお弁当を購入して食べました)
 
 (ここが九州大学全体のアントレプレナーシップ教育を一手に引き受ける部署です!)
 
 (九州大学内で見つけた、いかにも暑い気候に映える花、今日は暑かった)


 全国VBLフォーラムの打ち合わせでは、同WGにも発表の時間が与えられるということで、その発表内容や分担を打ち合わせていました。私はアントレプレナーシップ教育の実際の取り組み事例の発表を中心に担当することになりました。本日の話し合いの中で、ちょうど先日に図を作っていた教育区分の件、起業教育(本日は「アントレ(プレナー)教育」と呼んでいました)、アントレプレナーシップ教育、キャリア教育の話もやはり話題に出ました(確かに「アントレプレナー教育」と「アントレプレナーシップ教育」を混同する人がよくいますが、ここは明確にしないと議論が進みません)。

 おおよそ先日アップしていた内容で合意を得たのですが、関連して九州大学の先生から面白い話を聞くことができました。海外の大学の事例ですが、起業に特化したビジネススクール修了者45名/yearの7割が起業する大学と、何万人という在学生に広く教育を施した結果、その一握りが起業する大学、同じ国にこの2種類の大学があるそうです。前者が徹底的にビジネスの創出について鍛え上げるという「起業教育」であるならば、後者は広く教養的に教育を施す「アントレプレナーシップ教育」とも言えるのかもしれないと。なるほど!そういう(プロセスと結果を重視した)表現の仕方もできるなぁと思いました。後者はいわゆる「キャリア・アントレプレナーシップ」にも近いですね。

 午後は九州大学の学生のセッションから、欧米・アジアの海外のアントレプレナーシップ教育者の講演、そしてパネルセッションでした。同教育ではアジアにも先進事例が存在します。もちろんシンガポールですね。

 興味深かったのが、「シンガポールでは大学の知に大企業がなかなか乗ってこない」という下りでした。「シンガポールなどはどんどん技術移転が行われてそうな雰囲気なのですが、なぜ?」と一瞬思います。すると、同国の大企業は海外から来たいわゆる外資だからシンガポールで主要な製品を作らないとのことでした。それゆえ大学の知を積極的にコマーシャライズすると共に、学内教員を通じて学生にスタートアップを作ることを強く求めるそうです。

 欧米の事例も含め、いくつか新しい気付きを得た1日でした。明日も同国際ワークショップは続きます。

 
 (終わったら既に日が落ちていました。先生方と地下街のお店で夕食をとった後、天神をぶらぶら歩きながらホテルに戻ります、疲れた〜)