バンコクでも市場が閑散とすることがある!?(タイ視察調査・研修9日目〜12日目)

 現地では時間があるかと思いきや、ホテルに戻ってからは、夜遅くまで報告書や研究のまとめ、依頼されていた論文の審査などが溜まっていて、意外にも滞在期間中はかなり睡眠不足気味でした(帰国後も…)。ということで、少し遅くなりましたが、9〜12日目のご報告をいたします。

 9日目は再びタマサート大学にて授業の日でした。午前はスニーラット先生によるタイの文化や考え方の授業、午後はJICAの方による日本のタイにおけるODAの取り組みの説明をしていただきました。参加者からは双方とも好評でした。「欲をいえば、前半に受けておきたかった」という声が聞かれました。

 引率教員は、お昼を挟んで、タイに駐在しておられる日本の各大学の先生方と情報交換会をさせていただきました。大学によって駐在拠点の設置目的や予算などが異なります。一方で共通していることは、今後、日本の大学は、(留学生確保を含め)従来以上に東南アジア、特にその拠点としてタイを重視する傾向にあるということです。この日も新たにタイに事務所を構える大学の方もいらっしゃいました。

 分野は自然科学系から社会科学系、人文科学系まで様々ですが、研究分野においてタイに何らかの関係がある教員の方が、バンコクには多く駐在されています。ちなみにタマサート大学東アジア研究所には、青山学院大学三重大学立命館大学静岡大学の4大学の拠点が存在します。京都大学大阪大学は独自に拠点をバンコク都内に持っておられます。

 
 (9日目:スニーラット先生による授業、参加者はかなり楽しかったようです)
 
 (9日目:この日、引率教員は茶室でお茶をしながら、情報交換会でした)
 
 (9日目:JICAの方によるODAのお話は参加者の調査に関係することも多かったようです)

 10日目は各自のテーマを自由に調査する日です。この2週間の視察調査・研修ですが、よくよく考えてみると、本来2週間の出張の場合は土日分の4日分の休みを取るべきなのかもしれません(少なくとも前職の京大では認められていたと思います)。今回はこの日までそのような日が全くありませんでした。しかしこの日も参加者は昼はアンケート調査や報告書のまとめ、お別れパーティーの準備などをしている者が多かったです。

 またこの日以外でも、昼の視察や研修は全員が休むことなく参加し、それに加え、自由時間である夜もそのまとめに追われる者もいました。そのような参加者も、今度はぜひ旅行でタイに来てほしいと思います。また違った視点でタイを見ることができると思います。

 10日目、私は「地元の活性化した市場」「観光産業としての市場」の双方の視察をしてきました。特に日本では駅前商店街や地域の商業集積の衰退が問題となっています。昨年のイギリスでも調査をしていて、活性化要因、衰退要因について、私の中ではある仮説が立ちつつあります。

 
 (10日目:米の量り売りですね。タイは3つの亜種では長粒種のインディカ種です)
 
 (10日目:バンコク中心地からスクムビット通りを東南部にずっと行った場所の地元市場です)
 
 (10日目:サイアム・パラダイス・ナイトバザール)

 サイアム・パラダイス・ナイトバザールは観光客も多く訪れるであろう(と想定されている)市場ですが…。以前にルンビニー公園にあったナイトバザールがスクムビット101-1の向かいに移動したのですが、かつての夜の活気は何処にいったのでしょうか?

 
 (10日目:タイでは珍しく閑散とした市場です)

 何店舗かは店を開けていたので、その店主何名かに聞いてみるものの、様々な答えが返ってきます。しかし明確な回答は得られません。時刻は21時過ぎだったのですが、店主によっては「もう少し早い時間だと、今よりは人がいるよ」とのことでした。ルンビニーのときは、まだまだ活気のある時間帯でした(というか、これからといった時間帯です)。今まで(活性化としては)成功事例ばかりを見てきたタイの市場の調査に一つの示唆を得ました。聞き込みをした内容も含め、これは少しばかり収穫でした。

 せっかくなので、聞き込みをしたお店で、お礼にど派手なTシャツを買い、飲めないながらも気を遣って(?)ビールを飲み、食事をして帰りました。

 
 (10日目:「シン」と注文しましたが、相手が「チャーン」のキャンペーンガールだったので急いで注文をし直しました^^)

 11日目はアユタヤ移動です。全員でバスに乗り、パン・パイン宮殿、アユタヤ遺跡を経由して、アユタヤ水上マーケットへ行きました。アユタヤ水上マーケットではみなタイマッサージを受け、少し疲れが和らいだようです。

 
 (11日目:パン・パイン宮殿敷地内にて撮影)
 
 (11日目:アユタヤ水上マーケット)

 そして12日目、調査内容の発表の日です。タマサート大学教養学部の学生らが本学の参加者の発表を聞いてくれました。そしてすべての発表者に、複数の質問をしてくれました。日本の大学ではまだまだこの積極性はみられませんが、このような発表者の話を聞いて、その内容にきっちりと質問やコメントという形でレスポンスすること、これもグローバル人材の要素だと感じました。

 
 (12日目:大学内を走る無料バスで教養学部まで移動します)
 
 (12日目:一人一人の発表にしっかりと質問をしてくれるタマ大生、感謝です)
 
 (12日目:福井大主催のお別れパーティです。400Bを出して蝶ネクタイまで揃えてくれました)
 
 (12日目:集合写真、プログラムはこれで終了です、お疲れ様でした)