The person who had an influence on the world−世界的な発明や売上規模ではなく、人の行動に影響を与える起業の教育

（横浜みなとみらい地区新港、2015年5月）

　ワールドワイドレベルでの偉大なる起業家といえば、皆さんは誰を思い浮かべますか？商品の発明というレベルではなく、何兆円の売り上げということでもなく、世界の人々の行動様式をも変化させる影響を与えた人々のことです。Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏？自動車のヘンリー・フォード氏？グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏？日本人は思い浮かびましたか？

　「私の人生は波乱の連続だった。成功の喜びに浸るまでもなく、何度も失意の底に突き落とされた。しかし、苦しい時の経験がいざというときに常識を超える力を発揮させてくれた。」（安藤百福「安藤百福かく語りき」中央公論新社、p.13、2007年）

　常識を超える力で、世界の食にイノベーションを起こしたインスタントラーメンの安藤百福氏を思い浮かべた方はいらっしゃいますか？同氏は台湾出身で日本人に帰化した方です。

　多くの大学等で起業の哲学が講義されていると思いますが、私が体系化したいと思っているのは、起業の信念やアントレプレナーシップのみならず、またいわゆる発明の発想法とも少し違い、社会の人々の行動に影響を与えるようなイノベーションを起こすものの考え方、つまり技術と経営の両面における考え方です。

　以前より、安藤百福氏のそのような一面からの起業教育への展開を考えていたところ、このたびようやく同氏の記念館に訪れる機会を得ました。

　　　　
　（ようやく念願の安藤百福発明記念館に訪れることができました）

　　　　
　（左/インスタントラーメンの開発のヒストリー、右/ここで上映された14分の動画はよくまとまっていました）

　　　　
　（48歳当時の同氏はこの小屋でインスタントラーメンを発明されました）

　キーワードは、創造的思考（Creative Thinking）、常識にとらわれず、多様な視点を持ち、ヒトが想像しえないアッというような、まだ無いものを世に送り出すことですね！商品そのものだけでなく、食の文化という点で、世界に影響を与えた日本人がいらっしゃったことを学びにしていきたいと思います。