It is difficult to please everybody. - 彼方立てれば此方が立たぬ


(京都の神社へお礼参り、日が重なったようで、入り口までの長蛇の列ができていました。)

 「彼方立てれば此方が立たぬ(あちら立てれば、こちらが立たぬ)」という言葉があります。

 例えば、フィリップス曲線です。失業率とインフレ率の関係を示したもので、失業率が高いとインフレ率が低くなる、一方でインフレ率が高いと失業率が低くなるとされています。直感的にも、インフレ率が高くなれば、働こうと思う人も増えるでしょうからね。インフレ率のファクターに加え、労働供給のS字カーブを絡めてみると、より面白いかもしれません。

 一般的には、効率性と公平性のトレードオフの例は数多く存在し、効率性を重視すると、公平性が失われます。

 先日、土日を利用して、下の子の出産のお礼参りで、家族4人で京都に行きました。途中に四条通の百貨店に寄ったのですが、その駐車場を利用したことから、一方通行の関係で、どうしても帰りは四条通に出なければなりませんでした。すると久しぶりにみた四条通の変化に驚きました。 
    
 (この日は渋滞こそしていなかったものの、車道1車線、歩道部分が拡張された姿を見ることができました。歩道をよく見ると、色が違うため、見た目が悪いです…。)
 
 いわゆる四条通の車道を2車線から1車線にして、歩道を拡張するという京都市の「市歩くまち京都推進室」が進めている政策のようです。歩道がゆったりすると、車道が渋滞するようになったというトレードオフの問題は、以前より問題になっていました。
 京都新聞の記事の同室のコメントが割り切っています。「歩行者を優先した事業で、車道の改善は目指していない」(同推進室のコメント、京都新聞サイトより引用)ということで、その意図は理解できますし、将来的に観光都市としてのブランド向上も考えてのことでしょう。全体としての最適になっているかどうかは、判断が難しいところですね。

 しかしそもそも、歩道を見る限り、景観が悪くなっています。この点は、早急に改善してほしいです。それができないならば、以前のほうがよかったとも思います。

 今日のニュースでは、京都市の歩道橋の撤去が話題になっています。こちらは横断歩道があれば、撤去により、特に新たな大きい問題は発生しない気がします。こちらもキッパリとした市側のコメントが出ています。「車の通行のために歩行者に苦労をかける歩道橋は、『歩くまち』を目指す京都とは方向性が違う」(土木管理課のコメント、京都新聞サイトより引用)とのこと、徹底した政策方針を感じますね。記事ですので、前後関係がわかりませんが、先のコメントといい、少し言い過ぎ感もあるような気がしますが…。

 今回の京都では、7年半ぶりにグランドプリンスホテル京都に宿泊しました。ここは、7年半前に、結婚式を挙げたホテルです。式を挙げたコートヤード(中庭)は、上から見るとハート形だったことを、7年半経って知りました。

    
 (この中庭で式を挙げ、披露宴は地下のゴールドルームを使いました。)