行き過ぎもまた相場 - Stock price momentum can't stop suddenly.


(受講生アンケート「あなたは将来、ビジネスを始めたいと思いますか?」)

 日経平均が瞬間風速で2万円を超えましたが、そのラインで少し抵抗があるようです。とりたてて2万円という数字に何か意味があるわけではないのですが、報道等では日経平均が8,000円から20,000円と2.5倍になったことで、バブル再来?とか、高値圏?とか、いわれています。ただよく指標とされるPERで見ると15〜20倍の間で収まっているわけですし、株価は将来の姿を今に映していると考えると、騒ぐほどなのかなと思います。昔から「行き過ぎもまた相場」といわれるように、相場は理論や計算とは別の世界ですしね。

 2012年当初が日経平均8,000円で、今は20,000円といっても…。授業で話しましたが、対ドルがすべてではないものの、そもそも2012年当初などは1$80円で、今は120円なわけです。ということは、2.5倍なんていうのは数字のアヤで、円の価値が3分の2に暴落しているわけですから、まぁ(5/2)×(2/3)で、1.67倍ぐらい頑張っているという感じではないでしょうか。

 仮に日本市場を米ドル基準でみましょう。1989年あたりのバブル絶頂のときで、1$140円ぐらいで日経平均が38,000円ですから、その日経平均を今に換算すると32,500円ぐらいでしょうか。今の株価は、まだ足元といったところですね。一方で、今、報道では2000年のITバブル以来の高値といわれていますが、当時は1$110円ぐらいです。ということは、あともう少し今の日経平均が上がれば(21,000円ぐらいかな)、確かにその言い方は正しいようです。

 ともあれ株価が上がることはいいことです。2012年末に株価が1万円に迫り、「戌亥で借りた借金は辰巳で返せ」という格言を紹介しました(リンク:2012年12月「What are merits and demerits of "over allotment"? −アジュバンコスメとenishとコロプラの新規上場を見て、オーバーアロットメントについて、ふと考えた」)が、確かに2013年以降上昇しました。勢いが本物かどうかはこの2015年にかかっていそうですね。

 さて新年度がはじまりました。今年度も冒頭の図で示した恒例の調査をしました。起業したい(するかもしれない)という回答が、昨年度は24.2%(有効回答数91)、一昨年度は30.7%(有効回答数127)と減少していたのですが、今年度はなんと43.2%(有効回答数132)です!この結果を受けとめて、進めていきたいと思います。在学中に起業したいという12名の学生には、ぜひこの授業期間にいいプランへと磨いてほしいですね!少し気になるのが、教室定員いっぱいの160名の登録なのですが、1回目の授業に来なかった28名はいったい…?例年、1回目はオリエンテーションだからいいや、と思う学生もいるようです。1回目から、そこそこデザイン思考のポイントは話していますよ。大学院の方の授業では、社会人の方が非常に積極的に発言してくださり、今年度も、双方ともに面白くなりそうです。