Knowledge management seems to have something to do with startup. - イノベーションエコシステムのコアについて


天王洲アイルは都心にも世界(羽田空港)にも近い立地です)

 先日、私の学位論文が証券市場や中小企業金融であることに触れましたが、修士課程、博士課程を通して所属していたゼミは、企業政策論を専門としていたことから、ナレッジマネジメント(Knowledge Management, 知的資産経営、知識管理)についても洋書を翻訳したり、深く学ぶ機会がありました。今日はこのKMの大切さを改めて認識しました。

 先日、福岡で講演をさせていただく機会があったのですが、その時に一緒にお話をした方がスタートアップを対象としたコワーキングスペース(Coworking Space for startup, インキュベーションオフィス)を展開されていました。その会社のファンドのパフォーマンスがとても高いことに興味を持ち、ぜひ関連して運営されているコワーキングスペースを見てみたいと思い訪ねました。

    
 (写真撮影の許可を頂いたので、その様子をUPします)

 完全なオープンスペースです。周りのほとんどが起業家です。真ん中に共有スペースがあり、さらにお酒を飲むバーがど真ん中にあります。そして嬉しかったこと、それはこの場所のキーテーマが日本精神とグローバルであったことです。私は日本人アイデンティティとグローバル志向は(ビジネス自体の海外展開の有無は関係なく)アントレプレナーシップにとって大切な要素だと考えています。まるで何かそのことを裏づけてくれるような場所のようでした。

 それらがKM理論の実践と相まって動いている空間のように感じます。文部科学省イノベーションエコシステムという言葉を提示していますが、そこに必要なコア要素の一つであることは間違いありません。

 ちなみに私があえて「スタートアップを対象とした」コワーキングスペースと記載したのは、他のコワーキングスペースとは少し違いを感じたことによります。スタートアップとスモールビジネス、ベンチャービジネスは私の中では使い分けをしていますし、実際に違います。

 スタートアップには高いリスク、(フライングのような)スタート、早い速度、激しい変化、強い推進力等々が伴います。およそ海外文献で使われるスタートアップではそのような意味を含んでいます。スモールビジネスは中小企業で、先に伴うといった要素を満たしていないものも含まれます。ではベンチャービジネスとスタートアップは同じでは?と思うかもしれませんが、ベンチャービジネスは、高リスク、スタート要素はあっても、必ずしも早い速度、激しい変化、強い推進力があるとは限りません。なおベンチャービジネス和製英語です。

 もちろんこちらのコワーキングスペースは上場志向でなくても、急成長志向でなくても入居できるとのことですが、運営されている同社の考え方自体がスタートアップ的な要素を強く感じました。

 今、従事している産学官連携業務や教育に、自身の研究分野であるキャリアアントレプレナーシップが少なからず関連していることは認識していましたが、かつて企業政策論のゼミで学ぶ機会を頂いたナレッジマネジメントが実はそのコアであることを今日は強く感じた1日でした。