Both the virtual market and the realistic market are developed. Considering those histories, the realistic one may be more safety than the virtual. - ビットコイン問題は仮想市場発展の一過性のトラブルでしょうが…


(公園ではありません。新しいマーケットの建設です。この広さは野外の屋台を想定したスペースかな。)

 スクムヴィットの71は大通りなのですが、このSoi71を入り少し進んだ左手に建設中のマーケットを発見しました。"W District Market"と名付けるようです。

 研究の関係から市場(マーケット)にいつも関心を持っています。タイには「100年市場」もあれば、「昔ながらのローカルな市場」「観光客やタイの若者を相手とした洗練された市場」「富裕層や外国人駐在者を対象とした施設」など、ある程度の区分が明確になりつつさらに発展しています。

 「タイの市場」に関する過去の記事 → 2013年3月29日 2013年3月28日

    
 (Soi71側の入り口の間口はトラック1台通るのが関の山です。)

    
 (しかし入ってみると30店舗ほどの広さでしょうか。まさに建設中でした。)

 富裕層を対象とした施設として注目すべきが、いまこちらも建設中の通称「エンポリ2」です。現在の高級デパート、エンポリよりさらに大きい施設をエンポリの向かいに建設中です。バンコクは何度訪れても飽きることがありませんね。

    
 (こちらも建設中です)

 タイのリアルな市場の衰えることのない発展に興味をもっていたのですが、日本ではビットコインに関してニュースがあったようです。ニュースサイトの見出しや記事では「ビットコインの崩壊のような」書きようですが、事実を見る限りそこまでの大事ということではないようです。

 記事の文章から事実だけをソートすると、要はビットコインの取引所機能(仲介的役割)を果たしていた会社のひとつマウントゴックス(Mt.Gox)社が破綻したということです。例えれば、私設取引所(PTS)機能も持っていた証券会社の破綻に近いといえるでしょう。明日の新聞には冷静な文章が載ることと思います。

 ビットコイン自体は他の会社でも扱っているわけですから、ビットコインの崩壊という訳ではありません。もちろん同仮想通貨に対する信頼が少なからず損なわれたのは確かです。具体的には、ビットコインの取引や仮想通貨を保有することへの安心感の低下です。ビットコイン以外にも仮想通貨は存在することから、他の通貨への影響も必至です。良く考えれば、ビットコインから利用者が流れるとも考えられますが、全体的な信用低下の悪影響のほうが大きいかもしれません。

 より懸念すべき点は、ビットコインが証券会社における顧客資産の扱いのように、運営会社と顧客資産口座の分離管理がなされていなかった(であろう)点であり、銀行のような預金保護の対象にもなっていないことによる影響です。

 またマウントゴックス社が破綻した原因とされている点ですが、ハッキングによりビットコインデータが失われたということであれば、敢えて例えるなら銀行が銀行強盗に襲われたということです。その点で仮想の世界もリアルの世界もセキュリティの問題に帰結するのは確かです。

 一方でビットコインが優れているとされていた各国通貨との大きな違いは、管理・規制する中央集権的な国家や機関が存在せず(いわゆる分散型)、それゆえ決済が効率的に行われ手数料が安価であった点です。その意味ではビットコインは大きな期待を背負っていたわけですが、まだまだ国家通貨としての信用、中央集権的な管理と規制、それに伴い貨幣の交換価値が生まれることを再認識した話題だと思います。

 日本はまだ米国ほどのカード社会でもありません。それゆえビットコインも日本ではさほど浸透していなかったと思われますが、今後も様々な決済手段が誕生すると予想されます。このような事件が起こったから、新しいことはダメだというのではなく、新しい時代に対応しうる金融経済の教育を市民レベルで行う必要があるでしょう。

 しかし気になるのは、失われたとされる大金です。取引は基本ゼロサムゲームですから、どこかに流れているのでしょう。このようなことを言うのは何ですが(今回の会社はもちろん違うでしょうが)、2013年のアメリカ映画"Runnner Runner"に出てくるオンラインカジノ運営会社を連想してしまいました。同映画では、預かった顧客資産をオーナーのアイヴァンが個人口座に移してしまう不正が行われます。

 そもそも13$がわずか1年で1000$に迫る暴騰を起こしたビットコインは、通貨というよりはカジノのコイン、いわば投機性が極めて高いものだったといえそうです。