大学の第3の役割「社会貢献」

 大学のイメージは、「教育機関」という一般的なイメージが強いと思います。社会に出てビジネス等の視点から「研究機関」という面を認識される方が多いようです。

 

 本日17日、午前2限の授業をした後、午後からは「本学と地域産業界との交流会」@福井商工会議所、に参加していました。そこで改めて文科省の方や近畿経産局の方が第4期科学技術基本計画の内容に触れられていました。これは我が国の5年間の科学技術方針を定めるもので、平成23年度からの5年間は第4期にあたります。

 この第4期科学技術基本計画というと、「グリーンイノベーションとライフイノベーションの推進」という言葉が目立ちますが、よく読み込むと「人材育成」に主眼が置かれていることに気づきます。特に①研究と事業化を「つなぐ人材」、また②研究内容の事業化を「推進する人材」の育成です。

 その中で、大学の役割として、従来の「研究」と「教育」に加え、明確な意思として「社会貢献」が第3の柱とされています。

 そのような本質を整備したうえで、重点テーマとして、①エネルギー供給と低炭素化、高効率化・スマート化、グリーン化といった「グリーンイノベーション」、②予防法、早期診断法、安全性と有効性、生活の質の向上といった「ライフイノベーション」の2つの推進という形を目指すことになります。

 今日は改めてこのことを認識した1日でした。

 講演の中で省庁の方から「ふくい方式」という当地域での取り組みに対する言葉を聞くことができました。本地域が他地域と比較すると、極めて緩やかながら大学と産業界を含んだエコシステム的な形成がみられるのは事実だと思います。この「なんとなくエコシステム」を少しでも効率的に、そして徐々に強めていく、そのための人材育成を中心とした社会貢献というのが、第4期科学技術基本計画に沿った(国立の)大学における具体的な「ひとつの」活動だと思います。