過去から未来を思い描くこと

 先週末、家でテレビをつけたら「13歳のハローワーク」というドラマをやっていました。その内容は、ある30代半ばの警官がバブル全盛期(22年前)の日本にタイムスリップし当時中学生だった自分自身にアドバイスを与えながら別の人生を歩ませようとするものです。

 ちょうど年末に学部のキャリア教育の授業で、過去と現在を整理しそこから10年後、40年後を思い描くグループワークを授業の課題としていたので、少し興味深く見ていました。職業選択はキャリア教育のほんの一要素にすぎませんが、このように時間軸に沿って回想し自分のキャリアを考える機会とするドラマは「教育的な効果」があると思います。

 ちなみに今の大学生は、現在の日本をどのように見ているのでしょうか。どうやら今現在を最悪の状態とみているようです。参考として、学生によるグループワークの意見を私が独断的に点数化してみたものをグラフ化しました。

 要約すると、「日本の科学技術はいったん落ち込んでも、やはり世界で上位を維持できる。しかし日本の経済と外交は将来も高い期待はもてない」「小、中学校時代の日本は良かった、高校時代からまずいことになってきて、今が最悪期、しかし10年後には再び回復傾向にある」とみているようです。企業や一般家庭が先行きに不透明感を感じ投資と消費を抑える中、学生のこのような将来への見通しは、少し安心できるものですね。

                                      • -

 以下、参考として、学生13グループによる「40年後、10年後の日本」に関する予想の中で目に留まったものを記載しておきます。ちなみに過去に関する回想では、現在の政界を「橋下無双」とし、過去を「小泉無双」と記載したグループもいました。


40年後
 科学90点、政治70点、経済50点、国際40点、世相50点、平均60点。

(科学:科学技術と日本社会)
 電気自動車が主流、新しいクリーンエネルギー発見、新技術で再び先進国に、新しい惑星に行く

(政治:日本における政治)
 高齢化が進み年金を頼らなくなる、全ての地域に新幹線が通っている

(経済:国内経済)
 中国人などの外国人の雇用の増加、既存の経済システムが変わっている、景気ある程度回復、石油が無くなり物価が上がる

(国際:日本の外交)
 永久中立国に、中国に日本が取り込まれる

(世相:日本社会の風潮)
 日本とは対照的に世界人口が増えすぎてしまう、日本人と外国人が入り乱れる、女性天皇


10年後
 科学60点、政治50点、経済40点、国際40点、世相40点、平均46点。

(科学:科学技術と日本社会)
 原子力発電所の順次停止、原発がなくなり新エネルギーに(代替エネルギー不足でエネルギー問題が深刻化)、電子機器の小型化

(政治:日本における政治)
 消費税があがる、年金制度が危うくなる、大阪維新の人たちが政権を握るかも、大阪都

(経済:国内経済)
 原油価格の更なる値上がり、外国志向の経済社会、経済の悪化がさらに進む、ようやくTPPが経済に良い影響を与えだす

(国際:日本の外交)
 拉致問題が解決し始める、さらに外交弱い

(世相:日本社会の風潮)
 少子高齢化の更なる進展、外国からの移民が増える、東海地震、テレビメディアの衰退

以上