Unexpectedness - 不意討ち 〜サービスは当然を越えて〜

 「顧客の想像の範囲のサービスを提供するのは当たり前、むしろその想定内の期待に応えなければクレームにつながることも。顧客が想定していない感動を与えて、はじめてその顧客はリピーターになる」と、授業でも時折話します。サービス業の経営をある程度経験した方なら、これはみな感じています。しかし顧客にとって想定外のサービスとなるものを提供するのはなかなか難しいものです。

 
 (ミャンマー国境)

 昨日、タチレク(ミャンマー)、メサーイ・チェンライ(タイ)からバンコクにもどり、バンコクの後半滞在のホテルにチェックインしました。こちらも新しくオープンしたホテルです(ちなみにバンコクではこの2〜3年でなんと4〜50のホテルがオープンしています)。

 
 
 (ホテルの部屋)
 
 (ホテルの部屋からの外観)

 部屋も広くて美しく、私の大好きなフルーツがたっぷりウェルカムフルーツとしておかれていましたので、まずは満足!

 そしてなんとベッドの上には、従業員の人がタオルで作った「象」がお出迎え、仕事用の机の上の電話のデジタル表示には私の名前が表示され、また個人名宛でお出迎えの手紙、これらから第一印象はばっちりでした。

 
 (ウェルカム象)

 さらに私的には何気に嬉しいバスタオルが3つ、あれ?いや5つ!?象も入れると6つ!!なかなか私の心を揺さぶる演出、ポイントを抑えています。

 しかし今朝、朝食にいくとガラガラでした。レストラン入り口のチェックリストを何気に覗くと、週末の宿泊にも関わらず、他の人の名前がほとんど記載されていない。「さてはみんな部屋へ朝食を運ばせているのだな」と思いながら、私の部屋のフロアに戻ると、新聞受けがぶらさがっているのは私の部屋とあと一部屋のみでした。

 「んん?意外にあまり人気のないホテルなのかな?」と思いつつ、外出しました。

 夜、先ほどホテルに戻ってきました。そして、、、な、なんと。今日は部屋にケーキが置かれていて、さらにベッドの上に一輪の花と"Have a nice day, have a good dream." という内容の手紙(なにか私がお酒をさほど飲まず、タバコもやらないで、フルーツとケーキが好きなことを事前に調べていたかと思うぐらいの内容、、、そんなわけないか)が置かれていました。さらに昨日は気付かなかったのですが、アイスペールには氷が入れられています(客が開けなければ、この氷たちは気づかれずに溶けてしまう運命、、、)、もちろん部屋は既に冷やされています(環境問題的には、、、)。

 思い返せば私がホテルの敷地に入るとガードマンがトランシーバーで何かを言っていました。そして何やらホテルの中からベルボーイが入り口まで飛んできて、ドアを開けます。さっきまでは、たまたまベルボーイがドアに近付いているときに、私がタイミングよくホテルに入っていたのかなと思っていたのですが、今、あのトランシーバーの会話の意味も理解できました。

 しかしここまでのホスピタリティは想定外です。ちなみに価格は大学で定める出張規定金額前後で取りましたから、決して高すぎることはありません。このホテルは少なくとも私が知る限りでは世界的なブランドホテルではありませんが、この想定外のサービスからすると、きっと数年後にはバンコクでも超人気のホテルになっていると思います。

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 いつもの経験から、今回も出張前半はびっしりと予定を入れ、後半は「なにかいいことあるかな〜」と期待していたわけでもないのですが、少し余裕をもたせていました。すると人のご縁に本当に感謝というべきで、青学大の大先輩からご紹介頂いた、タイの東大というべき国立タマサート大学の教授(この方も青学大の大先輩)に、さらに本日、京都大学東南アジア研究所のバンコクオフィスをご紹介いただきました(余裕を持たせたスケジューリングでよかったo(^▽^)o) また日曜日にもかかわらず、京都大学東南アジア研究所の先生も応対してくださいました。

 
 (タマサート大学ランシットキャンパス)

 人の繫がりとは不思議なものです。滞在前半にお会いしていただいたバンコク大学の教授も、話しているうちにタマサート大学の教授と毎週会われていた仲とのこと、それならばと三人で食事の機会もいただきました。

 明日深夜の便で帰国しますが、予定外のスケジューリング追加と、想定外の良い出来事を経験した、本当に充実したタイおよびミャンマーの滞在でしたヾ(@⌒ー⌒@)ノ