Its university also possesses a jail. - 伝統と格式を感じたドイツの大学でした。


(社会・経済・市民教育系の国際学会への発表でドイツに来ています。)

 今回の開催地は、ドイツの(知る人ぞ知る「ゲッティンガー・ジーベン(反体制派教授7名が追放された出来事)」の)ゲッティンゲンです。ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンでの開催です。またゲッティンゲンといえば、第二次世界大戦で、ドイツとイギリスの非爆撃協定(ドイツのゲッティンゲンとイギリスのケンブリッジは、ヨーロッパの知の拠点のため、互いに爆撃をしないという紳士協定)の一方の街です。

 1日にハノーファーに入り、2日にゲッティンゲンに到着しました。教会以外、高い建物が見当たりません。ドイツは24時間営業のコンビニをつくらない、休日に無理に営業しないなど、利便性より人間性を追求する国のようです。

 日本より緯度が高く22時でも外は明るいです。でも寒くはありません。というか暑いです。38度です。ありえないです。しかし大学や一般的な場所では冷房を入れません(そもそも冷房設備がありません)。自然の風で凌いでいますね。明るさにしても、無理のない範囲で節電が意識されています。

 6月はバタバタしていて、学会開催地の情報を調べることができなかったので、ぶっつけ本番で空港から移動です。そもそも空港着が、飛行機の都合で1時間遅れなので、もう22時です。

 電車に乗ろうとすると、切符売り場も改札もありません。とにかくホームに行くと、ホームに自動販売機のようなものがありました。タッチパネルを英語表記に変え、おそらくと思う駅名を打ち込んで、切符を買います。ハノーファーの空港から同中央駅まで10〜15分、3.3€(500円ぐらい)です。イギリスやオーストラリアの空港をつなぐ電車より、遥かに安いです。ただ切符をよく見ると、何かがおかしい。

    
 (左の券売機はわかるとして、右の打刻機は下調べしていないと気付く難易度が高いでしょ…。)

 日本では、乗った駅名や行先が書かれていたり、日付の印刷があります。この切符には記載がありません。さすがにないとまずいだろうと、ホームを見回すと、もう一つ機械がありました。先ほど買った切符を差し込んでみます。印字完了。駅名と印字日時が記載されました(下の写真は印字後)。ちゃんと事前に地球の歩き方とか読んでおくべきでしたが、勘で気づくことができました。

    
 (空港から電車でハノーファーの中心部まで移動します。)

 電車に乗り込みます。車掌が回ってきます。切符チェックです。前の中東っぽい人は印字がされていなかったようで、車掌に何やら文句を言われていました。

    
 (何はともあれ、無事にハノーファー中央駅に到着。もう23時なので、ドイツ到着日はこの駅近辺で投宿です。)

 翌朝、まだ100kmほどを移動しなくてはなりません。駅に行きます。昨日とは勝手が違います。例の自販機ではタッチパネルに目的地がでません。どうやら自販機は近距離用のようです。その辺の人に聞くと、チケットオフィスで買うように薦められました。そういえば学生時代の2外はドイツ語でした。ドイツ語はローマ字読みのような独特の発音です。買えました。ICEという乗り物で、日本でいう新幹線ですね。35€(5000円ぐらい)40分弱で目的地に行くことができそうです。

    
 (ハノーファーの朝です)

    
 (ICEに乗り、目的地到着です。)

    
 (ゲッティンゲンは広々とした街です。)

 学会は大学のキャンパスで行われるものとばかり思っていましたので、キャンパスの近くでホテルを取りました。しかし開催の3日ほど前に、駅近くのサテライトで行う旨の連絡がありました。そうなら駅前のホテルを取ったのですが…。といっても2kmほどです。疲れた日は、ホテルから駅近くまで公共バスで移動します。流しのタクシーはあまり見ませんでした。

    
 (取りあえず駅のほうにいく側のバス停らしき場所で待ちます。って、明らかにバス停ですね。)

 
    
 (学生時代、なぜか3年もドイツ語をやっていたはずですが、一瞬、英語になってしまった…。乗り込んで、「I want to go to マクト!(市場)」というとウンとうなづいてくれたので行けそうです。チョイ乗りですが2.1€(300円ぐらい)です。バスは中心部の細い一方通行を入っていきます。)

    
 (学会開催の建物は、この魚が目印? 開催校は駅近くに立派なサテライトの建物をいくつか持っているようです。)
    
 (中は教会仕様です。ここで毎日の最初の基調講演です。)

 2日目の私の発表も恙なく終えました。今回は質疑も無難にこなすことができました。2日目の夜は、みんなでディナーです。発表直後で一安心。発表が3日目に当たっていなくてこれまた安心。

    
 (立派なお店です。)

    
 (ドイツはビールが安いです。)

    
 (メインは魚にしたのですが、肉を選んだ先生が食べられないからと、分けてくださいました。)

 3日目は午後にシティツアーがあります。今回は、初日のスタートから、最後のツアーまですべて出席です。格式と伝統のあるゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンでの開催ですから、気合が入ります。

    
 (最初は街のシンボルからスタート。というか大学に関係のない建物は、この最初のものだけだったかも…^^;;)

    
 (シティツアー(大学の歴史ツアー)は、街歩きで90分間です。)

    
 (って、なんだかんだと大学が所有する建物をまわります。)

    
 (どれだけ立派な大学かが、様々な所有物からわかります。)

    
 (しかし牢獄まで所有しているとは…。もちろん今は使われていないですが(笑)、歴史を感じることができます。)

    
 (ちなみにこちらが、ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンのキャンパスとその近くの大通りです。)

 というわけで、ゲッティンゲン到着日の午後から学会1日目、2泊して、最終日の3日目夕方にシティツアーが終了後、即移動、再びハノーファーに戻ってきました。日本まではまだ長いぞ。ドイツの先生からは「もっとゆっくりしていけばいいのに、なぜ学会だけで帰ってしまうの?」と言われましたが、それが日本人であり、日本の国立大学の規則であります(笑)。