Do you regard the change as an opportunity, or not ? − どのような変化もチャンスに!


(当地、福井のお酒です!左から梵、黒龍、白龍、北の庄、一本義です。)

 清酒が苦手な私が語るのも変な話ですが、清酒の製造量の推移が気になったので、国税庁のページを見てみました。バブルの時期を除き一貫して低下傾向にあることは調べるまでもないのですが、今回は特定名称酒別ではどうかと気になったわけです。
 *特定名称酒とは本醸造酒純米酒吟醸酒をさします。
 気になったきっかけは先日の買い物です。来月、本学である全国的な大会を行いますが、その懇親会で少しだけ一般のお酒とは別に、当地のお酒を用意しようということになりました。そこで清酒が飲めない私が選ぶのもどうかと思うのですが(正式には各先生方から、黒龍、白龍、北の庄、梵、一本義などの銘柄は伺っていましたが)、やはり西武百貨店でいざ選ぼうとすると「何のこっちゃ?」という感じでわかりません。
 「あれ?超有名な『黒龍』が安いやん?」と思っていると、どうやら大吟醸ではないらしい。店員さんに聞くと、なんとデパートといえどもこの銘柄でよいお酒は特定の専門店しか扱っていないとのことでした。ならばと大吟醸があった白龍を買います。
 そのようなわけで上記のようなお酒が、飲めない私の大学の部屋に現在保管されいます(いつの間にか消費されるということはないので、ある意味安全な場所ではあります。笑)。本当にこの選定でよかったのやら…?心配になって翌日すぐに部署のメーリングリストで確認しておきましたw

 このようなことから、ふと上記のことが気になったわけです。そこで肝心の国税庁のページの数値ですが、平成19年度から平成23年度(酒造年度)までの5年推移で、清酒合計は
 502,521 →493,636 →469,378 →439,651 →449,171 (単位:kl)
となっています。平成23年度に微妙な復活をしていますが、しかし4年前から10%の落ち込みです。
 一方で、清酒の中でも特定名称酒は、
 163,928 →156,074 →147,829 →137,833 →142,875 (単位:kl)
です。減少しているものの平成23年度はそれなりに復活しています。どうやら清酒全体における平成23年度の微妙な復活は特定名称酒の健闘が光ります。
 さらに今回の目的である特定名称酒別ではというと、目星をつけたとおりでした。
 49,844 →49,248 →47,882 →45,512 →47,259 (純米酒) (単位:kl) 
 26,950 →28,041 →25,703 →25,211 →27,772 (純米吟醸酒) (単位:kl)
 20,946 →21,691 →18,303 →16,544 →19,179 (吟醸酒) (単位:kl)
 66,188 →57,094 →55,942 →50,565 →48,666 (本醸造酒) (単位:kl)
 特定名称酒の中でも、比較的価格が安価な本醸造酒は一貫して減少していますが、その他の純米酒純米吟醸酒吟醸酒はむしろ今後の戦略如何ではさらに伸びそうです。これは清酒の高級志向傾向を示しているわけですから、同じ戦略でもブランド戦略が鍵を握りそうです。
 [上記の数値は国税庁のホームページ(リンク)より引用]

 清酒のブランド戦略にとって、追い風になり得るのがお米の出自から現在までの記録を保存する「米トレーサビリティ法」の施行です。平成22年10月から、業者間取引における米の生産から販売までの各段階で、取引記録を作成と保存が義務付けられました。このことで米に関係する製品に問題が発生しても流通ルートをすぐに特定できます。また平成23年7月から、お米の産地情報の伝達が義務づけられています。
 このようなことは、生産者側にとって一見面倒なようにも思えるのですが、見方を変えれば産地情報の明示化はブランド形成にもつながります。

 8月に入り通常の授業はお休みに入りましたが、かわりに院生への集中講義や教員免許更新講習、一般講演などを立て続けに行っています。その際によく変化の二面性(機会と危機)について話しているのですが、上記の法施行もそのひとつの例になるかなとも、ふと思いました。


 
 (先日は当地の地方銀行主催の会にてユアーズホテルで講演をさせていただきました。若い経営者の方々が対象でした。年齢が近い分、なんとなく親近感がわきます。相手が学生か、もしくは年上の方々のどちらかが多いので)
    
 (先日の国際学会の休憩時間の軽食と飲み物です。日本の学会もこのぐらいフランクなものだといいなぁと思います。きっと話も弾みます)
 
 (もっとも自由に準備していいなどと言われたら、私の場合、カラフルにいきますよ〜(^−^)。清酒ではなく、ライチやカシスのリキュール、カンパリ等に、割るためのトニック・ウォーターやジュース、そしてキュラソーの類を準備して…、もちろんステアだけでなくシェーカーも置いて…、空想するだけで楽しくなります。実際にそのような設営をしたら、みんなから怒られるでしょうがw)