Why not start a friendly rivalry? − 競争は大切ですね!


(都人としては、商業集積というと、京都タワーの下のフロアーを推したくなりますが…)

 先日、京都大学の用務の帰り、サンダーバードが2本先まで満席だったので、その待ち時間を利用して、久々に京都駅の南口に行きました。すると高校時代、毎日京都駅から東寺に向かう通学途上で通っていた、京都駅南口の近鉄名店街が驚くほどきれいになっていました。この改装は既に何年も前に行われていた(らしい)のですが、高校時代以来、ほとんどこちら側に来ることはなかったので、私としてはとても驚きました。

    
 (いまや昔の面影は一切ありません…、右側は水のアートのようです)

 この近鉄名店街、20年以上前は「いい」意味で「場末の酒場の集まり(表現が悪くすみません)」というレトロさがあり、私的には高校に大幅な遅刻をした時などは、ふっきれて少々時間をつぶした記憶が…。何はともあれ、この商業集積は私のお気に入りの一つでした。

 ゲーム理論では距離的な市場獲得の概念から、同一の商材を販売するお店は一か所に集中するという考え方があります。また商業集積の考え方では、お店が多く集まる場所のほうが顧客を集めやすいということから、商業集積地はより拡大する傾向にあるという考え方をします。

 これらはどちらかというと自然発生的な形成になるわけですが、別の場合も存在します。民間業者、または政府が計画的に商業集積を作る場合です。いわゆるアウトレットモール、ショッピングモール、フリーマーケットの広場、そしてお祭りの縁日などですね(昔の門前町などは、自然発生的に形成されたものが多いのでしょう)。

 今日も本学は大学祭で盛り上がっています。学内が賑やかなので、部屋で研究できるのかというと微妙なのですが、模擬店も多く出ているので、やはり出てきていると何かと便利です。その模擬店ですが、上記の分類で行くと自然発生的に生まれたものではないので、かつ基本は登録制で主催者(大学)による誘致ではないでしょうから、お店の内容に詳細綿密な計画はないものと思われます(同じ商品が被ることは避けるぐらいの調整はしているでしょうが)。

 するといざ大学祭がはじまり、お店が一斉にスタートすると、もちろん競合が発生します。特に大学祭の模擬店というと食べ物というイメージが強く、すると来訪者の食の需要にも限度があるため、その限られたパイの奪い合いになってしまいます(昨日も書きましたが、それゆえに各お店は差異化を図っており、競合の少ない福井市内における一般的なお店より、良いものを出している本学学生のお店も見かけます)。

 
 (午前中の準備風景^^)

 そこで学部生の授業で、先日、次のような課題を出しました。
「もうすぐ福大祭です。福大祭に出す出店として、現実的に販売が可能なものの中で(実際にはそのお店が今年なくても構いません)、顧客から人気が出て、もっとも利益が出ると思うお店の内容(何を売るか)について、あなたの意見を述べてください」

 みなさんならどのようなアイデアが頭に浮かぶでしょうか?とっさに学生がその授業で記入したアイデアの一部をご紹介します。理由は学生が記入したもの、コメントは私からのものです。

「果物類」 コメント:タイにはよくありますね
「バンド優待券」 コメント:権利商売できましたね
「握手会」 コメント:いわゆるアイドルの商法ですね  
「その年に来るアーティストのグッズ」 コメント:便乗ビジネスですね
「551の肉まんとシューマイ」 コメント:企業とのコラボビジネスですね
「ミスコン握手券」 理由:美しさには勝てない コメント:AKBにヒントを得たかな?
「冷やした濡れタオル(使ったら回収)」 コメント:私の知り合いがそのビジネスをやっています
「芸」理由: コストがかからない
「単位」 コメント:突飛ですが、実現したら問題があるにせよ、その発想は評価します  
お好み焼き串」 理由:福大祭では結構両手が埋まるので、食べやすいほうがいい
「コスプレ衣装のレンタル」 理由:祭りのハイテンション時のノリに突っ込む
「カメラ・カメラマンレンタル」 理由:お店をやっている人は忙しく、写真を撮る余裕がないと思うから
「学校案内」 理由:福大祭にきた親子や高校生を対象 コメント:大学にも貢献、素晴らしい
「氷点下30℃体験」 理由:大学にその施設があるはずだから コメント:施設の紹介を兼ね、有効利用!
「ミスコン写真集」 理由:男子だったら欲しいはず! コメント:Facebookのスタートって知ってます?
「友達を貸してくれるサービス」 理由:一緒に見て回る人がいないとき コメント:ドラクエルイーダの酒場』?
「イベント丸わかりパンフレット」 理由:各店の特徴と割引券付 コメント:フリーペーパーに近いビジネスですね
「いろんな地方の手軽な料理」 理由:大学には様々な地方出身者がいるから 
「出店のチケットをランダム販売(500円)」 理由:値段が高いものも、安く手に入る可能性 コメント:福袋?

 短時間の発想にしては、結構、面白いアイデアがでたと思います。もちろん他の学生のアイデア(主に食べ物、特に多かったのが「かき氷」などの暑さ対策もの)もしっかりと考えられていました。

 競合に関して、タイのことでもう少し書こうと思ったのですが、それはまた次回にします^^;