Definition of "excess profit" is a level of profit higher than one regarded as usual. - 超過利潤は「ぼったくり」か「付加価値の対価」か?


福井市内の風景です。ホテルフ○タの17階から^^)

 防衛省等の調達では、超過利益返納条項付契約なるものがあります(⇒参照防衛省ホームページ)。これは、販売側(契約相手方のこと)に超過利益が生じた場合にその利益の一部を国に返納させる契約です。

 簡単な例を出すと、発注したスペックを満たすある兵器の見積もりが2.2億円だったとします。これには10%の適正利益が入っていたとしましょう。つまり製造コストは2億円です。しかし実際に作ってみると、製造コストが1.5億円でいけたとします。10%の適正利益を載せても1.65億円となります。この場合、当該契約では、当初の2.2億円-1.65億円の0.55億円の一部を国に返納するということになります。「この制度は合理的でいいですよね!」って一瞬思うのですが、私はあまり賛成しません。「販売者(製造者)側が(コスト面で)頑張ったところももっと認めようよ」って思ってしまうんですよね。


 新年に入った先日、娘が生まれて1ヶ月以上が経ったということで、「そろそろお宮参りを」ということになり、足羽神社に行ってきました。昨年の初詣も足羽神社だったので、わが家では足羽神社がお気に入りになっています。

    
 (左:足羽神社です。今年1年もよろしくお願いしますって、初詣も兼ねてはいけないか…/右:綺麗な着物を贈っていただきました)

 到着すると、他にもお宮参りの方々がいます。「ん?」と思ったのは、他の赤ちゃんは大きい。京都では生後1ヶ月ぐらいでお宮参りをするのですが、どうやら当地ではもう少し後のようです。何はともあれ、祈祷が始まりました。お祈りをしてもらっているところで、「む、やばい、泣きそうだ!」となり、すかさず用意していたミルクを口に^^ 食欲とは最強です。静かになります^^

 その後、市内のホテルのレストランで食事です。せっかく両家の親に関西から出てきていただいたので、福井市内ではそれなりの格式をと思い予約した場所なのですが…、タイトルの"excess profit"(超過利潤)を思わせる出来事が…。

    
 (眺めはいいのですが、まずは料理が…。この海老なんて、いくら今期が不漁とはいえ、ホテルのものとは思えぬ。)

 そのホテルの最上階17階の日本料理店を予約しました。写真の通り景色は良かったのですが、価格に対して付加価値とは思えないプチ不満を感じました。「それなりのものを用意せねば」ということで、この日のために事前にホテル側と打ち合わせをして、特別メニューを作っていただいていたのですが(といっても、嫁任せ…感謝)、まず「2名分は生ものを他のものに」と伝えてあったのに無視されています。そして出された(事前打ち合わせにおける)お品書きに書かれていたものが出てこないのでクレームすると、「次に出す品と被るから省きました」という勝手なことが行われています(事前に伝えてくれればいいのですが、当日のお品書きにも、出てくると書かれている)。デザートのプリンはザクザク。とまぁ、これだけなら「残念なレストラン」で済むのですが…。

 部屋は個室座敷を予約しており、これは別料金がかかりましたが、写真の風景のように、いい眺めなのでよかったです。しかしその後、気分を害することが起こります。事前に赤ちゃんが泣いた時の為に、授乳室がないか聞いたのですが、その際のホテルの返答は「他の個室が空いていれば使っていただいていいのですが、あいにく成人式前なので混雑しています。ホテルの部屋をデイユース料金でとってください」と言われていました。「まぁ日も日なので仕方なし」と、追加でデイユースにて部屋を取りました。

 がしかし、実際に行くと、「うちら以外は、まばら。帰るころにはうちらだけやん!」このホテル、一応全国でも名が通っているはずなのに、「ホテルの応対自体、もうむちゃくちゃやん…」。ホテル名は出しませんが、他の人に聞くと、ここは日本料理はだめで、下の階にある中国料理はいいとのことでした。

 ただ不思議なものです。このように述べていて、しかも相応の金額を支払っていても、笑い話で話せるほど、怒りまではこみ上げません。普段ならきっと文句言いまくりですが。

 さて、「超過利潤」を辞書で調べてみます。三省堂大辞林では「正常利潤を上回る利潤。新技術の採用や新商品の開発、独占による価格のつり上げなど、競争相手の参入が制限されている場合に生じる」とあります。確かに、当地ではあまり競争がありません。正常利潤を上回っていることは確かでしょう。なんとなく超過利潤に当てはまりそうです。

 では「ぼったくり」か「付加価値の対価」かということですが、「ぼったくり」だと思うほどこちら側の怒りはない、だからといって「付加価値の対価」というには、せいぜい「景色料」+「普通のレストランでオーダーする金額」だとしかその価値は見出せません。

 そこで結論、どうもこういう時は、「相手から提供される付加価値」ではなく「自己事情での付加価値」があるのではないかと思います。「おめでたいこと」なので、「まぁ、いいや」と思う。こういうものの存在って、実は身の回りにも多いんじゃないかなと思います。

 たとえばホテルで行う結婚式の料理の価格、あれは普段のディナーで同じ程度のものが出てきても、それよりはかなり高いですよね。では同じ場所で食事をするので、「基本条件は同じだから、これは超過利潤か?」というと、なんとなく私はそうでもないような気がします。

 最近はジミ婚といい、ホテルなどとは別の場所で披露宴を行う人も多いようですが、私は「相手から提供される付加価値」に対価を支払うという考え方の大切さに加え、こういう「(嬉しい)自己事情での付加価値」の上乗せという考え方もあっていいのではないかと思います。

 ちなみに冒頭に記載した超過利益返納条項付契約に反対の理由ですが、改めて述べると、ああいうものがあちこちで出てくると、息苦しい社会になるような気がします。もちろん先に述べた「『結果として』販売者(製造者)側が(コスト面で)頑張ったところも認めようよ」と思うところもあるのですが、事前に販売者(製造者)側のコストダウンに対する「頑張ろう」というやる気も無くしてしまうじゃないですか。だから相手が頑張った分はいいんじゃないかなと。あえていうなら、そんな契約をしない分、販売者側も心に余裕をもって顧客に接するとか、昔の社会では当たり前にあったような気がするものを取り戻したいですね。(ちなみに防衛省の制度では「企業のコストダウンインセンティブを出すために、「コスト低減額の最大50%までを企業にインセンティブ料として付与することができる」としています。100%なら必死にコストダウンするでしょうに…。)

 タイで私がプチ感動したことがあります。「タイの商売人はガツガツしているのかな」と思いきや、私があるお店で大人買いをしたとき、精算が終わってから、そこで雇われているであろう販売員はこのようなことを言いました。「あなたは私を幸せな気分にしてくれた。これは私からの気持ちです」(身振りを交え、片言の英語で)。う〜ん、渡されたのがお店の商品なので「あなたからじゃないでしょう(笑)」とは思いつつ、「これ渡さなくてももう精算は終わったし、こちらが値切ることはないのに」と思い、私も少し幸せになります。

 コンビニ社会に変わりつつあるタイですが、コンビニ社会ではない昔ながらの社会が続いてほしいなぁと思いました。このように、超過利潤が出れば、少しぐらいおまけしたり、(次の契約ででも)販売者側が価格を思いやるぐらいになれば、良き社会が続くと思います。だから基本、私はややこしいものに対しては、「(やや余裕があるかな?というぐらいの価格で)このスペックを、この価格でやれますか?」と可否を確認の上、もしこちらから追加リクエストがあれば、相手に打診し、相手が可能な範囲で慮ってくれるスタイルがいいんじゃないかなと思います。

 またこれと同様で、「(嬉しい)自己事情での付加価値」という考え方も、広めたいなぁとも思いました。

 ちなみにこのお宮参りの日は、家に帰るとすぐにデザートの口直しです。私は最後のデザートだけでも良ければ、ほとんど不満を言わない人なんですけどね^^

    
 (左:福井市内のある方から頂いたケーキ、このカップはイイ!/右:この時はまだ小さいですが、2か月経った今ではもう5kg超です^^)