Seven-Eleven has a commanding lead in the convenience store industry. − コンビニ産業では、二極化に加え、支配的地位が確立しつつあります。


福井大学も銀杏の紅葉がとても綺麗です)

 昨日、福岡および横浜・東京の研究等出張から帰ってきて、最初の感想は…、「ありえぬ! おそろしく寒い!!」です。福岡も横浜・東京ともに、いい季節でした。聞いた話によると、なんと福井の一昨日は、暴風に雨霰、そして雹まで降ったとか。地域性の違いを感じます。当地に来て2年以上が経ちました。「雪の日は車に乗らない」と言い張っていた私も、3度目の冬を迎える今年は勇気を出してスノータイヤで移動しようかと思っています(^^;)。

 さて先日、ネット上(こちらに引用元リンク)に、県別社長輩出率と大学別社長出身校のランキングが掲載されていました。福井県が人口当たりの社長率でトップなのは知っていましたが、輩出率では9位とのことです。ということは、福井県は「事業の生存率」が高いということなのでしょう。生存率といえば、関係はありませんが、福井県は長寿県でもあります^^。

【引用ここより】
[県別社長輩出率ランキング]
1/山形県 2/徳島県 3/香川県 4/秋田県 5/大分県
6/愛媛県 7/山梨県 8/広島県 9/福井県 10/高知県
11/島根県 12/鹿児島県 13/長野県 14/福島県 15/宮崎県
16/新潟県 17/和歌山県 18/北海道 19/富山県 20/熊本県

[社長出身校ランキング]
1/日本大学 2/慶応義塾大学 3/早稲田大学 4/明治大学 5/中央大学
6/法政大学 7/近畿大学 8/同志社大学 9/東海大学 10/関西大学
11/立教大学 12/青山学院大学 13/立命館大学 14/専修大学 15/東京大学
16/関西学院大学 17/福岡大学 18/東洋大学 19/駒沢大学 20/甲南大学
【引用ここまで】

 大学別の数のランキングの方は、卒業生数で割った率で計算すると、一部を除く1位〜10位の卒業生数の多い大学は、結構順位を落とすのではないかと思います。一方で、立教大学青山学院大学などは卒業生の割にはかなり上位にきているのではないでしょうか。

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 今日は先ほど本学博士人材キャリア開発支援センターのほうのゼミ形式の授業で、日本のコンビニ産業について、お話をしていました。前回に、自然独占や寡占の理論について説明をし、日本とアメリカの携帯電話通信産業の寡占形態と相互依存行動(静的な寡占状態)について触れたので、今日は別の事例(動的、進行的な寡占状態)についての考察です。

 日本のコンビニ産業は、初期のセブンイレブン1号店からはじまり、年々2極化が進行し、独占的競争状態から寡占形態に変わりつつある途上とも見ることができます。am/pmファミリーマートに吸収され、昨年は上位4社という見方をしていましたが、今年に入りセブンイレブンの積極的な他府県進出(特に同社の2013年、四国進出に係る現地エリアフランチャイザーの他ブランドからの乗り換えの可能性、既に富山県や東京都での乗り換え事例あり)により、近い将来、上位3社とその他になるかもしれません。トップのセブンイレブンは完全に頭一つ抜け出した感があります。福井県を含む北陸3県に、同社は2009年に進出をしています。2013年の四国進出後は、青森県鳥取県沖縄県を除く45都道府県に進出をしたことになります。

 同社の1号店開店から現在に至るまでの、業務におけるイノベーションや、アメリカの親会社の変化、そしてここ数年の産業全体の構造変化などを説明したのち、コンビニ産業における非常に緻密な経営戦略についても触れています。その上で、なぜセブンイレブンが他のコンビニよりも強いかの理由を次回までにまとめてきてもらうことにしています。実際にお店を見てまとめてほしいと伝えました。

 コンビニ産業は2011年度に8%強成長で、市場規模は9兆円です。全体規模がまだ成長している中、やはり特に際立つのがセブンイレレブンです。1店あたりの1日の売上高はセブンイレブンが65万円強で、他の大手は50万円前後、この差はどこから生まれるのか、ぜひ資料を調べるだけではなく、目で確かめてきてほしいと思っています。

 受講者の中には、日本人だけでなく、ベトナム人、中国人受講者もいますので、彼らが何を感じたのかも楽しみです。「なぜ中国には(日本の大手だけでなく、国営にせよ)コンビニがないの?」という素朴な疑問が印象的でした(*)。「んじゃ、その理由を次回までに調べてきてよ!」ということで、お願いしました。もちろんベトナム人受講者にも^^。彼ら共産主義社会主義の中で育った面々に資本主義における経営学を扱うのも、毎回授業ごとにこちらにも何らかの発見があり、楽しく感じる今日この頃です。

(*) 実際には2009〜2011年頃より、中国・ベトナムの両国ともに一部の都市において、外資によるコンビニは展開されています。

 なお、セブンイレブンの強さについて、一般的に言われている理由以外にも何かあると思い、関東で数店舗を経営されるセブンイレブンの知り合いのオーナーの方に先ほど電話をしました。そして同社ブランドが強い理由を聞いてみました。今回の課題なのでここには書きませんが、聞いてなるほど納得です。お話をお伺いする中で、明文化し辛そうだなと思う要素も複数ありました。しかし文献やネットを調べるよりも、自分たちでお店に行き、「じいっ…」と観察すればわかるかなという内容です(お仕事中に貴重な時間をいただき、感謝です)。本部へのインセンティブが他のブランドより高くても、それ以上の魅力が同社ブランドにはあるようです。

 
 
 (これはタイの地方にあったセブンイレブンもどきです。2012年9月撮影)

 ちなみに一昨日、福岡で変わったコンビニを発見しました。ディスカウント・コンビニというものです。そこに入ってみて感じた、私の個人的な感想を述べます。立地が良い場所に小規模の店舗で構えるという「損益に影響するデメリットを利便性でカバー」し、そこに定価販売でも成立する付加価値を求めるのが同産業の形態です。大切な収益回収部分を、価格競争で自ら放棄するこのディスカウント・コンビニという形態、経営戦略的には、あまり良くないのではないかと私は思います。