Why do you regard the company as venture business? −ベンチャー企業のイメージ

 今日のキャリア教育の授業の冒頭にて、数日前のスタートトゥデイ社(ゾゾタウン運営会社)の社長暴言騒動について学生にも意見をもってもらう目的にて、会社の品格について話をしました。

 ある一消費者のツイートを同社社長が何故か発見し、その上で「ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ」(各種報道より引用)と暴言したとされる件です。

 同社社長の言動に対する意見は別として、学生には会社の品格を考えて欲しいと思いました。対する先日のスクウェア・エニックス社の例も出しました。こちらはあるゲームジャーナリストの方が同社のオンラインゲームの一機能に対し「賭博行為の可能性」と言及されたことに対し、同社が冷静なコメントで大人の対応をした件です。

 その上で、学生(児童から大学生へ)から社会人(さらに責任のある立場へ)へと時を経るにつれ、社会に対する責任・影響力が変わること、個人のコメントが会社のイメージに繋がること、そのイメージが会社の品格をあらわすこともあることなどについて言及しました。
 
 (キャリア教育では、個と個の関係(対人関係)に加え、個と社会との関係性(社会の中の自分)を理解することも重要です。学生が持つ左の意識に加え、右は組織の一員としての社会とのかかわりを認識する図です)

 ただベンチャー企業といわれる会社は、若い社長が多いのも事実です。規模は違えど20代で会社経営を経験したことのある私個人の考えとしては、どうしてもその若さが様々な部分でメリットにもなりデメリットにもなることを身を以て経験してきましたので、その点は致し方ないのかなとも思います。

 学生にはこのような話題に対し、会社の品格という視点で今後も見ていってほしいと伝えました。自分が将来勤める会社についても、その会社の品格は、社長だけでなく一社員の一挙手一投足からも理解できることがあります。就職活動を例に出すと、その活動は企業から選考されるだけではなく、自分たちも企業を選別するという意識が大切です。その視点が備われば、日本で問題となっている3年以内の離職率の高さも少しは改善されるでしょう。

 話を戻しますが、ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイ社、1年半前に同社からプチ被害を受けた私としては「やはりこういうことが起こってしまったか」という印象です。今回の件も、ツイートした消費者(女子高生)に誤解を与えてしまうような同社の経営手法に問題があるでしょう。⇒1年半前のブログ11年半前のブログ2

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 先日、同じベンチャービジネス研究をしている先生から面白いアンケートのフォーマットを頂きましたので、他の数大学の同分野の先生方と共に「ベンチャー企業のイメージ」についてのアンケートを取っています。私のキャリア教育の授業でも今日そのアンケートをとりました。事前にインフォームした情報は、「日本における『ベンチャー企業』といわれる言葉は、一般的にリスクを取りつつ創造的なビジネスを展開する小さな企業と認識されている」というものです。その上でベンチャー企業と思っている会社」を挙げてもらい、そう思う理由を記載してもらいました。
 多かった回答はソフトバンク」「楽天」「DeNA、最近プロ野球の球団経営をはじめた会社、まずこれは共通しているイメージも明確です。次にFacebook」「Appleこれらも納得です。そしてドワンゴ」「グリー」、このあたりまでは想定内です。未だにライブドアも健在です。たしかにどの会社もスタートは小企業、リスクをとって成長してきましたね。
 面白かったのが立命館大学という回答。理由は「大学のイメージアップを数年のうちに実現したから」というものです。企業でもなく、またどちらかというと老舗ですが、しかし創造的という部分にピンときたのでしょう。
 このアンケート、頂き物ですが、他の項目もなかなか面白いものでした。