日立がNYSEに上場廃止を申請

 数日前から予定についての報道がなされていましたが、日立製作所が本日、NYSE(New York Stock Exchange:ニューヨーク証券取引所)に、ADR(American Depositary Receipts:米国預託証券)の上場廃止を通知したようです。数分前にネットのニュースで速報が出ていました。上場廃止後も米国の店頭市場での取り引きは可能となる見込み」(ロイター)だそうです。

 ADRというのは、米国で外国企業が発行する株式のようなものです。有価証券代替証書ともいわれます。既に流通している株式を預託証券とする場合と、新株を発行する場合があります。

 上場廃止の理由は、上場維持費用の削減とのことです。確かNYSEの場合は50万ドル程度/年の上場維持費用がかかると聞いたことがあります。NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations:米国の店頭市場)だとその10分の1程度でいけたはずです。日本も投資家保護等を目的とするJ-SOX法(日本版Sarbanes-Oxley Act)で上場にかかる維持関連コストが大幅に増えましたが、米国は(株式発行企業にとって)それ以上の厳しさともいわれます。数重苦に立たされている日本の製造業にとっての費用削減は、資金調達にも影響が出てきたようです。

 ちなみに私は院生時代、特に博士前期課程の時はファイナンスを学んでいました。当時、「ファイナンスを学ぶなら、まずは見ておかねば」と、ニューヨークを訪れ、NYSEやトレーダーズカフェ、証券会社等を見に行ったことを、ふと懐かしく思い出しました。