面白いインターンシップは何か−インターンシップ反対派?

 昨日の午後は福井経済同友会が主催する「福井県高等学校教頭会と経済人との懇談会」に参加をしてきました。そこではキャリア教育に関する議論、とりわけインターンシップについて意見交換がなされました。

 基調講演での問題意識では、「将来就きたい職業は?」との問いに対し、「わからない」と答えた割合が、平成18年度調査では、小学生、中学生、高校生の順に男子が17.6%、23.7%、38.2%、女子が14.9%、16.1%、24.2%と上昇していく傾向について、スピーカーの方が「中高の学校教育における職業観教育の欠如」を指摘されていました。

 確かに平成7年度調査ではこのような減少傾向がみられていないことから、当該指摘を否定する気はないのですが、少々気になるところがあります。小学校の項目に関して、平成7年度調査における「スポーツ選手」「会社員」「商店主」に対し、平成18年調査では「スポーツ選手」や「医者」という回答が上位で増加している点です。つまり実は「中高の学校教育における職業観教育の欠如」ではなく、小中高と学年が上がるにつれて、むしろ「現実が見えてきているのではないか」、もしくは「明るい未来(夢)を描きづらい社会になってしまっているのではないか」とも思います。

 そのようなことを感じながら、ディスカッションやまとめの時間となり、進行の方が「何か面白いインターンシップは?」という問いかけをされました。特に高校教員でもなく、また(今は)企業関係者でもないので発言を遠慮したのですが、私は次のようなことを考えています。中高ではインターンシップという形でなくてもいいのではないかということです。ずばり「1週間、中小・零細企業の社長のカバン持ちをする」、これこそが開業率が廃業率を下回り、企業数の減少が問題となっている現代社会において、ビジネスの創造、ビジネス感覚の醸成の第一歩だと思います。

 そもそもインターンシップに関して言えば、大学生以上であれば良いのですが、中高生のうちに経験する「ただ言われたことをこなす作業的なインターンシップのようなもの」では、むしろ職業に対する概念の偏りや、ビジネスの創造性を失わないかとも少し危惧します(ここで話し合われていた「インターンシップ」の厳密な定義も必要ですが…)。

 努力してなんとか高いとされている学歴を得て、その後、大企業に入り定年まで勤め上げる時代が崩れつつありますが、そのような過去の社会から、自らビジネスを創造し雇用を生み出す時代へと社会が変化するきっかけにもなると思います(ならねばなりません)。

 ここ最近は毎日のように会議やミーティング、打ち合わせがダブル、トリプルで入ってきており、なかなかそれ以外の事が進まないのですが、今日の午後は少し時間に余裕がありました。しかしこのあと18時からもミーティングがあります。また明日から予定が目白押しですが、さらに今月末より3月中旬までは本学の学部生、大学院生、研究員さんを引率し、タイに視察と調査に行ってきます。