どんどん拡大するバンコクの公共交通網!

 先日のバンコク滞在中、アテンドをしてくれたA氏が、「バンコクは女性のほうが男性より15%ほど多いです」と言っていたことをふと思い出し、ちょこっと調べてみました。確かにそのようです。またバンコクの男女人口全体についても、600万人都市(国人口のほぼ10%に相当)と言われるバンコク都ですが、実際には流動人口を含めるとその数は800万人にも1000万人にもなるようです。

 
 (車線を守って走ってください…笑)
 
 (昔に比べると渋滞はかなり緩和された気がします)

 このような大都市では交通渋滞問題がつきものです。バンコクの渋滞の解決策として、路線バスや水上交通(通称「チャオプラヤ・エクスプレス」)以外に、1999年にBTSBangkok Mass Transit System,高架鉄道で通称「スカイトレイン」)、2004年にはMRT(Mass Rapid Transit,地下鉄)といった公共交通網が完成しました。

 
 (高架鉄道BTS
 
 (地下鉄MRTのキャラクター?)

 既に何度も訪タイをしていますが、私がはじめてタイに行ったのはそれほど昔ではなく、これらの新しい交通網が完成したころです。毎回、行くたびに何かが大きく変化しているバンコクの町ですが、今回の大きな変化は「物価の上昇」と「公共交通網の拡大」でした。ちなみにいつもは「ビジネスの近代化」や「大型建設物の増加」が目につきます。

 まず新たな交通網として、BRT(Bus Rapid Transit,新高速輸送バス)なるものができていました。道路上のバス専用レーンを走るものですが、バス停ではなく、駅が存在し、自販機で切符を買い、改札が設置されたその駅のみで乗り降りします。

 
 (駅でバスを待ちます)
 
 (基本的にはバス専用レーンを走ります)

 またようやく昨年に、空港から市内中心部への鉄道「エアポートリンク」が完成し、一部の「ぼったくりタクシー」とのうっとおしい交渉をする必要がなくなりました。

 
 (「エアポートリンク」は途中駅はノンストップですが、価格が高いせいか(90バーツ/空港-パヤタイ間)ガラガラです)

 ちなみに「エアポートリンク」に乗らなくても、各停の「シティライン」に乗れば、半額の運賃で移動できます。ともに新しい鉄道にも関わらず、内装のデザインは無骨です。シーメンス社製のようですが、なぜ日本製の良いデザインの車両を使わないのか不思議です。

 さらにBTSも大幅に路線が拡張されていました。Sukhumvit Lineは、今まではOn Nut駅が東の終点だったのですが、ちょうど私が滞在しているときに拡張され、さらに東に数駅伸び、Bearing駅が終点にになりました。Sukhumvit Lineの東のほうは日本人も多い地域でした。そして徐々に東へ東へと日本人の住宅地が移動しつつある状態でしたので、日本人住宅街もBTSにあわせ、今後はさらに東進するかもしれません。

 
 (Bearing駅からの風景、駅周辺の開発はこれからのようです)

 このBTSが東に延びたことは、ジム・トンプソン(Jim Thompson)ファンにとって、とても嬉しいことです。Sukhumvit Soi93にあるジム・トンプソンのファクトリーアウトレットへの便がとても良くなったからです。

 従来は、終点On Nutから15分〜20分ほど歩くか、そこからタクシーを使って移動するかだったのですが、On Nutの次の駅、今回延長された駅の1つ、Bang Chak駅で降りるともうそこはSoi97です。そこから歩いて少し戻る方向にSoi93に行けばOKです。

 
 (この駅までSukumvit Lineに乗ります。降りると北側がSoi97です)
 
 (Soi93まで戻って、北に歩きます)
 
 (あまり派手な建物ではありませんので、見過ごさないように。Soi93を結構(300mほど)北に歩くと左手にあります)

 私はPCを持って学内を移動するときや、ちょっとした出張には同ブランドのちょい派手なブルネイバッグを利用します。今回、バンコク滞在中に持参したバッグが使えなくなったので、急遽、ジム・トンプソンのお店によって(なぜがやはりちょい派手な)バッグを調達しました。

 最後に…、バンコクの渋滞ですが、公共交通網をどんどん導入したことで渋滞緩和につながったことは確かです。しかしFish Bone(魚の骨)といわれる大通りから垂直に伸びるSoiと呼ばれる袋小路もなんとかするか、バス、タクシー以外の車を中心部からシャットアウトしない限り、この町の渋滞は収まらないと思います。

 なにせタイではタクシーの乗車拒否は当たり前の世界ですから、朝や夕方のラッシュにバンコクの中心部に行こうとタクシーを止めても、「行くの、やだ!」って言われてしまいます(笑)