ゲームハード機における産業の寡占状態はやはり…

 ゲーム機ハードの値下げは、過去の経験から必然です。先月28日、任天堂ニンテンドー3DSを従来価格の25000円から15000円へ40%の値下げをすると発表しました。市場は任天堂に対し、この値下げをかなりネガティブに捉えたようで、同社の株価は1万円前後まで急落しました。

 その後、海外出張となったのですが、気になっていたのは、同社のこの決断が吉と出るか凶と出るかです。すると一昨日16日に8月第2週のニンテンドー3DSの国内販売台数が21万4821台と発表されました。この数字は同社値下げ発表前の3万2381台に比べると、実に563%増加となっています。

 需要の価格弾力性はまさに14!驚くべき高い数字です。値下げ自体は同社にとって厳しい選択でしたが、結果として同社の決断は成功したといえます。同社の株価も戻しつつあります。

 さてゲーム機のハード業界は実質、任天堂ソニーマイクロソフトによる寡占状態です。寡占状態において、互いの企業は相互依存行動をとります。さっそく17日ソニーはプレステーション3の価格を5000円値下げすると発表し、本日18日より実施しています。

 ソニーのこの追随行動が任天堂と同様の効果を生み出すか、気になるところです。ポータブルハードではなく据え置き型ハードであることや、発売から既に5年が経過していることより、PS3の場合、3DSほどの効果は見込めないと考えています。

 またマイクロソフトX-BOXの動向も注目です。

* なお、任天堂の売り上げに関し、先週比58倍(つまり数字上は5700%増ですが)という見出しをしている記事があります。もちろん事実ですから間違いはないのですが、値下げ発表のこの週(「先週」と表現されている週)には当然消費者が買い控えをしますので、この週と値下げ後の週を比較するのは少々報道に意図を感じます。