商いの街〜「天下の台所」ぞ!大阪!!〜

 「大阪は天下の台所」と言われたのは、戦前の話。地下鉄堺筋本町の駅を降りると、そこは船場のビジネス街…昨日は平日月曜、しかも帰宅ラッシュ時なのに、なぜかビジネスマンの姿が少ない。高校生の頃に、学校帰りに気合で遠出してこのあたりに来たときはもっと賑やかだったのになぁという記憶があります。

 基本的には京都に住んでいた20代や30代中頃までも、大阪に来るといえばビジネスでは「キタ」(梅田、大阪駅周辺)でした。大阪の人と飲むなら北新地(梅田のちょい南)か「ミナミ」(難波あたり)でした。そのように思い起こすと、この船場周辺には長らく来ていません。

 昨日は大阪産業創造館まで起業教育研究の関係で行ってきました。起業に関する実務セミナーがあったので、実務面での感覚を失わないためにも、また情報のアップデートもかねての参加です。

 
 (この建物、まさに起業支援館です!)
 
 (地下には、企業家の博物館もあります。月曜は博物館が休館だった…。)

 大阪産業創造館につくまでの道のりは、冒頭のような印象を持ったのですが、この起業セミナーの参加者の数に驚きました。80名は入ろうかという会場はほぼぎっしり、しかも実務セミナーなので、まさに起業を考えている人々が集まっているようです。

 これだけの人が何らかの起業を考えているというのは、大阪という土地柄なのかもしれません。現在、大企業は東京に集中していますが、次世代の大企業は今のベンチャー企業です。現在の大企業も創業時はベンチャー企業、そのほとんどが戦後30〜50年で成長しました。

 今から30〜50年後、「天下の台所」の権威を大阪が取り戻す可能性があるかもしれませんね。これは決して冗談で終わる話ではありません。30年の長期計画を見据えることのできる地方都市にとっては、決して夢ではないのです。30年前の花形産業はいまどうでしょう?今、飛ぶ鳥を落とす勢いの産業分野の30年前はどういう評価でしたか?そもそもその産業分類は存在しましたか?

 今、起業支援を重点的に行う地域は、将来的に結果が生まれてきます。もちろん確率的には厳しいベンチャービジネスの世界、適切な支援プログラムも必要です。そして地方自治体からの支援を受けた会社は、本店所在地を他の都市に移さないという約束事も欲しいものです(笑)

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 さて、この戦前までの大阪の繁栄の理由は、豊臣秀吉の時代の基礎が脈々と受け継がれたものと言われています。ちょうど今般に上映される映画『プリンセストヨトミ』も、同様の内容かもしれません(詳しく知らないので、違ったらすみません)。

 ただそのような繁栄が戦前まで続いた理由は、関西の銀本位制にあると言われています。つまり江戸の小判とは独立した経済圏であったことによります。さらにこの銀本位制による独立経済が300年以上にわたり維持できた理由は、現在のような情報社会ではなかったこともその一因でしょう。今では、関西中心にせよ、関東中心にせよ、政府方針でエイヤ!とやってしまえば、経済圏地図はオセロのようにたちまち色が塗り替わりそうです。

 そういえば、一時期ほど議論されなくなりましたが、道州制の話も気になるところです。その場合、福井県はどこに属するのでしょうか。福井に来て不思議なのが、ここは北陸なのか、近畿なのか、中部なのかということです。どうも省庁によって、バラバラに管轄されているようです。ちなみに学会では私は中部部会ではなく西部部会にいますが…。

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 もう一つ、大阪復活を思わせるものを目にしました。それは大阪駅の光景です。ひたすら工事を続けていた大阪駅ですが、なんと見違えるぐらいのリニューアルを果たしています。どこの国際空港かと思ったぐらい面喰いました。

 
 (鉄道駅というより、国際空港をイメージさせます) 
 
 (確かに鉄道駅ですが、以前の大阪駅はえらい違い…)
 
 (大阪伊勢丹もオープンしました!)
 
 (これぞ、まさに駅ビル)

 何はともあれ、大阪に経済圏が集中してくれれば、お隣の京都にも恩恵が、京都が栄えればそのベッドタウンの滋賀が、そして大阪、京都、滋賀が栄えれば、サンダーバード1〜2時間でつながる福井にもきっと好影響が出る…?、と期待しましょう(サンダーバードと滋賀の関係は微妙ですが…)!そういう意味では福井は近畿に抱き込まれるほうがいいのでしょうか?^^

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 もちろん移動途上にデパ地下にも寄りました。今回は神戸のケーニヒスクロネのお菓子何個かやその他のものを購入して帰りました。

 
 (ここのお菓子、昔はよく食べたなぁ…)

 大阪復活は嬉しいことですが、今年の阪神は弱いぞ!って言っても、個人的には弱いチーム状態がデフォっていう負けに対する応援耐性が未だにあるんですけどね…。

 明日から6月、あ、6月といえばイギリスの学会、発表の準備を進めねばならんかった!