間違ったビジネス観かその国の常識か?〜ビジネスは投機?ゲーム?〜

 私の研究テーマの一つとして、ビジネスや現代社会経済を「ゲームを通じて」経験的に効率的に学ぶことを目的として、「起業教育に関するゲーム」や「ゲームに内在する教育要素」を研究しています。有名なところでは海外の「Monopoly」に代表されるようなボードゲーム、その他ビジネスシミュレーションゲーム等、いくつか過去にも素晴らしいものがあります。

 そこでオンラインゲームに絡めたものを探していたところ、「ビジネスライフ」というブラウザゲームがありました。内容を見てみると、スタートは飲食店や小売店といったスモールビジネスからスタートし、従業員数名を雇用します。そののち工場生産を伴うビジネスへと発展していきます。このスタートアップにおける販売形態を中心としたビジネスから、規模の拡大に応じ相応の資本投下による生産形態へと移行する段階はまずまず良いものだと感じました。

 しかし内容を吟味すると(おそらく)中国等で作られたゲームであろうと推測できます。それはスタート段階で商品の中継販売(転売、というか「独自のルートでMP3を仕入れ」とかいうので横流し?w)といったことで財をなす要素や投機要素が強すぎる点、またビジネスを投機ゲーム感覚で扱う点です。ゲームだからゲーム感覚が当然というような内容ではなく、中国独自のビジネス観に似たものを感じました。そのような意味では、中国等における起業教育には最適なのかもしれません。

 中国独自のビジネス観というと、相手が中国人かどうか断定はできませんが、ヤフーのオークションでPC部品を購入した際、タドタドしい日本語で「いま、その商品がないので、別のものを送ります(なんじゃそりゃ?)」といってきた売り手がいました。それってオークションに出品する段階で問題ありではと思ったのですが、きっと落札された段階でどこかから商品を仕入れる手法をとっていたのでしょうね…。

 話し戻して…、このゲームを見ていると、現在の中国等というのは市場が大きいが故に、転売でも何でもとにかく売れる状況なのかなと感じます。そのため多くのビジネススタートアップには最適な環境なのだろうと推測できます。

 つまりこのゲームのオリジナルが作成された国、その国の景気の良さがゲーム内容から伝わってきます。MBAを学んだら能力やスキルアップとか記載されているので、きっと経営学を学んだらすぐに起業しようというぐらいの意気込みを持つ人が多い国なのでしょう。

 ただしこのゲームをやった日本人が、中国等の政府主導型のビジネス奨励傾向が日本にもある、またはビジネスは投機的要素が強いものだという誤解を持たないように注意が必要です。このゲーム、日本へのローカライズを完璧にしようと思うと、内容的にはまだまだ課題がありそうです。