興味のある会社は?

 学部の授業ではわかりやすく説明するため、経済的な概念だけではなく、実際の企業事例を紹介しながら進行しています。先週の「現代社会とビジネス」の授業にて、5月に授業で扱う会社について、100名程度の学生にアンケートを取りました。投票数が多い(学生の興味が高い)会社を扱うほうが、よりわかりやすいだろうという趣旨からのアンケート実施です。

 業績が急成長中の(もしくはV字回復など何らかの授業で扱える要素を持つ)会社を中心に、私の独断と偏見で20社を抽出しました。また地元福井の会社や関西本社の会社も入れ投票してもらいました。候補は以下の通りです(3社まで複数回答可)。

 

 どの会社も優良企業なので、学生らは迷いながらの投票だったようですが、彼らが選んだ結果は、以下の通りです。

 

 以前にここは3割以上が「社長になりたい」(「なれるならば」も含めて)と回答してくれたクラスですが(その後の正確な集計ではなんと39.5%でした)、彼らが興味を持つ会社にも特徴があるようです。

 任天堂は事業イノベーションを起こして成功した経緯をもつことから、授業題材として取り上げやすいものです。スクウェア・エニックスの2位は少し意外でしたが、興味のある会社としては妥当なのかもしれません。この会社も過去にドラクエやFFといったソフトウェアの大ヒット作があり、時系列で成長の推移を説明しやすいものです。地元の総合薬局チェーン「ゲンキー」などは、学生が身近に感じる存在として興味をもっているようです。

 先日、ある地元企業の人事の方が、「学生がなかなか説明会に集まってくれない」とおっしゃっていました。このようなアンケート結果をみると、日頃からの学生との接点というのは、企業の新卒採用にとって関係があるのかもしれません(ただし今回の調査は就職希望調査等ではなく、授業で扱ってほしい会社です)。一方、学生にとっては、しっかりと調べさえすれば、競争率の低い超優良企業を発掘しやすいのかもしれません。

 高度情報社会と言えども、情報の浸透(伝播)というのはまだまだ完璧とはいえないようです。学生には身近に触れることのない会社でも、重要な産業、素晴らしい会社が数多くあることを伝えることもキャリアの教育では重要だとも認識します。