「冷やし中華、はじめました」みたいなノリで、「ようかん、はじめました!」

 昨日から、とても寒くなってまいりました。まだ、10月です。福井の冬に恐々としている今日この頃です。先日、いつも穏やかなうちの本部長が「福井の冬を経験してみてください(ニヤリ)。」とおっしゃった意味がなんとなくわかり、本当に恐くなってきました(笑)。

 気のせいか(気のせいではないんですが…)、テレビではスノータイヤのCMが多くなってきたようです。テレビのCMにも関西との違いを感じます。

 さて、国際化されたソフトウェアをある特定の言語に対応させることをローカライズと言いますが、これと同じような考え方で一つの国内においても各地域の特性に合わせた戦略が重要です。まさにこのテレビCMしかりです。そして実は起業教育においても、このような地域要素を考慮しなければいけないものだと考えています。

 私が現在作成しているのは、地域を問わない(あえて言うなら日本版)ものですが、他の方(グループ)が地域に特化した教科書を作っています。それは起業を学ぶ受講生が住む都道府県の起業に関するエピソードを集めたものです。身近なところで起業がなされたことを知ることで、起業を身近に感じるとともに、郷土愛も生まれます。

 また、ビジネスでは地域特性を意識することが重要です。ビジネスがどのようにグローバル化されようが、インターネットがいくら発達しようが、顧客の属性は存在するわけで、その中で地域属性というのは重要な要素です。

 実際に地域によって売れるものは異なります。ITビジネス論なんか教えていると、「ロングテイル」という考え方に触れます。これは従来経営学で言われてきた「一部の商品が売り上げの大半を占める」という考え方とは異なり、「インターネット上ではその他大勢の売り上げ合計が全体に対して大きな割合を占める」というものです。多品種のラインナップを肯定するものなのですが、インターネット時代であるからこそ、地方の顧客の取り込みが可能になり、年齢や性別、嗜好に加え、地域を意識して、各地域属性に応じたラインナップを考慮するという戦略は無視できません。

 そういえば昨日、水ようかんを食べました。おそらく関西の人は「だからなんやねん?」と感じでしょうが、福井の水ようかんは一味違います。なにが一味違うかというと、味じゃありません(もちろん美味しいのですが)。実は冬にしか発売しないという店が多いようです(おそらく)。初夏に「冷やし中華はじめました」みたいな感じで、「羊羹、10月24日より販売をはじめました」と書かれています。水ようかんは夏の暑い時期に冷やして食べるものと思い込んでいた私には、この言葉がとても不思議な感覚を引き起こすのです。最初は居酒屋の一揆禁止」(中国かいw)(「一気飲み禁止」の誤字)のようなギャグか間違いかとさえ思いました。(そして、ギャグならば「なかなかやるなぁ」と一瞬感心しましたが、どうやらギャグではないようです…。)

 福井に今年来たばかりの私にとっては、「なぜこの寒い冬に水ようかん?」という感じです。きっと何か冬に発売する理由があるのでしょう…。

 ちなみに昨日食べた水ようかんは、虎屋の「おもかげ」を5〜10倍希釈したような黒糖味のものでした。なかなかいけました。これはハマるかもです!

 何はともあれ、福井の冬と、本部長の「福井の冬を思い知るべし」のような不敵な笑いに恐々としてます。